Saturday, 20 April 2024

時間/サマータイム

 

 “史上最強のマイペース男” と妻に言われる。考えてみれば、子供のころから「時間を自分の都合に合わせる」傾向があった (困った性格だ)。▽小学生時代に固く守り続けていたルールは、帰宅したら、まず宿題を終わらせてから遊びに行くこと。友達と河原で野球をする時間に間に合わず、日没近くになって、グローブとバットを抱えて駆けつける。オレンジ色の夕日が一面に広がって、そこには誰もいない・・。▽中学生時代は遅刻ギリギリの登校を繰り返す日々。学校までの距離が遠いのに、時間を気にせず、朝に放映されていた面白いテレビ番組 (チャップリンの連続短編ドラマ) を観てから自宅を出ていた。私の姿を目撃して慌てて走り出す生徒たち。彼らの後を追い、校庭のホームストレッチでラストスパートをかけ、全員をごぼう抜きにするのが日課。校舎の窓から眺めていた野次馬から歓声が上がった。▽何をするにも手際が良すぎる妻は、仕事も家事もサッサと済ませる。月末の最終週になるとカレンダーをめくり、翌月にしてしまうので、それを知らない私は日付と曜日を間違える。妻はサマータイムを2日前からセットしていた。そうとは知らぬ私も1時間進める。余分なプラス1時間を誰が知る?「なかなか寝つけない」とつぶやく私に、 妻が「じきに慣れるわよ」。(SS)
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▽「だいぶ前に、日本にもあったよ夏時間」 と母が電話で教えてくれた。ワシントン州の大学に留学したばかりの頃、サマータイムを知って不思議な気持ちになった。生まれた時から1日は24時間だったので、「時間って、人間が決めた約束事なんだ」と感動すら覚えた。当時、高額だった国際電話でその驚きを母に伝えたら、冒頭の言葉が返ってきた。何でも、第二次世界大戦後の連合国軍占領期にGHQ指導下で導入されたらしい。でも、残業増加や寝不足を引き起こすなどの不評を呼び、3年ぐらいで中止になったとのこと。当時の人々やメディアは“サンマータイム” と表記していたそうです。▽1日24時間、時間は誰にも平等に与えられている。もっと上手に時間を使いたいと、ここ数年、取り入れているのが30分の昼寝。「午後3時までに15分~30分、パワーナップをとりなさい」 と主治医が薦めてくれた。横にならずにクッションを置いて、机上で伏せて寝る。昼寝前にコーヒーを飲むと、カフェインの作用で20分程度で目が覚める。身体にも脳にも良いらしく、最近では、昼寝を取り入れる企業も増えているそうだ。以前は、ランチの後に睡魔に襲われ、気合いで乗り切っていた。ちなみに、脳のゴールデンタイムを生かすためには、22時~23時までに就寝し、6時に起きて、昼に仮眠が良いらしい。(NS)
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▽サンディエゴに住むようになり、自分の中で時間の感覚が変わった。春がやってきたと思う頃、時計を1時間進める。日の入りが一気に遅くなり、明るい時間が長くなって夏気分に突入。そして、楽しかった夏が終わり、寒い季節がやってくるな〜と少しブルーな気分になる頃、時計を1時間戻す。夜更けが急加速する。1年に2回、時計を強制的に変えるという習慣をなんの違和感もなく受け入れるようになったのは、いつのことだったろうか。渡米前は、時計が早くなるとか、遅くなるなんてことは考えもしなかった。自国で暮らしている限り、時間は永遠に同じだった。それに対して、アメリカは同じ国の中でも時差が存在する。州によってはサマータイムを取り入れていないところもあるのだ。なんて自由気まま! 米国生活を通して、私の中で時間は絶対的な存在から、いくらでも変更可能な相対的な存在になった。▽最近は、いろいろなデバイスが自動的に時間をリセットしてくれるのでとても助かる。携帯電話を見れば世界各国の時間も一目瞭然。夏時間になったから、今は日本何時だっけ? などと悩むこともなくなった。時計変えるの忘れて遅刻しました〜などという言い訳も、もう通用しないんだろうな。(RN)
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suzuko-san
絞り出すような声で歌い始める ♪Summer Time~♪…ビリー・ホリデイをはじめ、エラ・フィッツジェラルド、はたまたジャニス・ジョプリンなども歌った、このジャズのスタンダードナンバーをご存知の人も多かろう。 「ラプソディ・イン・ブルー」 「パリのアメリカ人」 などの作曲者、ジョージ・ガーシュインの傑作だ。調べれば1935年に初演されたオペラ「ポーギーとベス」の中で、不自由で貧しくとも心優しい青年ポーギーと、麻薬中毒の娼婦ベスによる悲恋物語が始まってすぐの場面で子守歌として歌われた楽曲。各場面で3回歌われ、それぞれのシーンで異なる印象を与えた曲ということだ。私も大好きな曲で、時々、口ずさんだりすることもある。それはさておき、このテーマの本来の主旨である夏時間。私が渡米した頃は4月の第1週が時間変更日だったが、約20年前から3月第3週に前倒しされた。なぜ? しかし、それはそれで大歓迎。夏時間になると、夜が徐々に明るくなり、その分だけ開放的な気持ちで暮らせる。夏時間大好き! 仕事が終わってもまだまだ明るいから、ベランダで音楽を聴きながら「My Happy Hour」を楽しむことも十分できる。資源節約を主目的に始まった夏時間ということだが、この日から、ますますHappy Hourが楽しめる。まさしく夏時間に乾杯!!!である。 (Belle)
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jinnno-san
夏時間は、夜が遅れてくる、みたいで、遅い時間まで外でフラついたりできて、ワクワクする。一番ドキドキする時間は、夕方が夜に変わる、マジックアワーと言われる数分間。サンディエゴなら、海岸沿いにいれば、どんな被写体でもそれなりに “映え“ して、誰でも綺麗に写ったりする (あー、そのー、いい意味で?) (どういう意味? 笑)。バックグラウンドが夕日なので、顔の細部の見なくてもよい部分や、髪型がどーのとか、服装も見えないし、笑、なんなら、顔がどアップでも、長いまつ毛だけがシルエットとして写り、こんなあたいでも映えること間違いなし! 笑! 波が奏でるバックグラウンド・ミュージックと、海と大きな夕焼けが背景だから美しいし、男児が横にいたら、マンガ (ドラマじゃなくて? 笑) みたいに超ロマンチック!、、これが故郷・愛知の田舎だったら、、、夕方になるとお寺の屋根と竹林がシルエット 笑。BGMはカーカー♪ カーカー♪・・・カラス 笑。普段は17時には家に帰ってたのが、この時期は男友達らと遊んで、帰宅を20時くらいまで勝手に延長、、“映え“ も考えずに、、 笑。今は川沿いの代わりにビアガーデンで帰宅延長、、“映え“ など、もっぱら気にしたことなーし。でも、マジックアワーは、顔の細かいところを消してくれますんで、やっぱ 夏時間、最高! 笑。 (りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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毎朝6時半に6年生の娘を学校へ送っていく。今までその時間は真っ暗だったのに、最近は明るくなってきたな〜と思っていたら、サマータイムが始まる季節だったのね。デイライト・セービング・タイム (DST) になると、明るい時間が宵の口近くまで延びて、我が家の娘たちの就寝時間がさらに遅くなるのが悩みの種。幼い頃から早く寝てくれなかった娘たち。11歳と10歳になった今では、夜の12時頃まで寝る気配がない。私も面倒くさくて、子どもたちに 「早く寝なさい」と注意しないのも悪いのかもしれないが —— 。長女はさすがに朝が早いので、午後10時には寝ないと睡眠不足になり、勉強に悪影響が出るのではないかと心配してしまうけれど、どうしてもミッドナイト近くの就寝となってしまう。私も長女の登校時間に合わせて朝の支度に取り掛かるので、午前4時半には起床。毎日の睡眠時間は約4時間ほどだ。さすがに歳のせいか、こんな生活を続けていると、午後3時半頃になると強烈な睡魔が襲ってくる。せっかくのサマータイムで、長くなった明るい時間が楽しめるはずなのに、体力がもたないのだ。サマータイムを満喫するためには、生活時間を改善する必要がありそうだ。(SU)

(2022年3月16日号に掲載)