San Diego News サンディエゴ発ニュース

新築コンド/アパートの「駐車場附置義務」 を撤廃

SD市議会、車依存からの脱却、“ECO 都市” への布石

2019年3月5日

サンディエゴ市議会は3月4日、市内を走る公共輸送機関 (MTS 路線バス、SD トロリーなど) のルート沿いに新築予定のコンドミニアムとアパートメントを対象とする、駐車場の附置義務撤廃を賛成8/反対1の大差で決議した。

これは後日、条例制定に向けて、改めて市議会で審議される予定。

賛成派は、サンディエゴ市民の間では “自動車離れ” が進み、電車、バス、自転車、ウーバー/リフトなどの配車サービスを利用する人々が急増しており、新築コンド/アパートの駐車場附置義務を存続させるのは旧弊以外の何物でもないと主張していた。

さらに、駐車場附置義務の撤廃は、市民に向けて公共輸送機関、自転車、徒歩による通勤/通学を奨励するメッセージとなり、サンディエゴ市が目指している温室効果ガス削減を後押しするとみている。(*注)

賛成派の一人、ビビアン・モレノ市議は「サンディエゴの住宅事情改善は喫緊の課題。(駐車場附置義務の撤廃は) コンド/アパートの建築コストを抑え、購入/賃貸がより現実的になる価格に落ち着いていく」と話す。

一方、反対派の見解としては、ダウンタウンの駐車スペースは絶対的に不足しており、駐車場附置義務の撤廃は時期尚早。

住民の不満が募るばかりか、QOL (生活の質) の低下を招くことを懸念している。

唯一の反対票を投じたジェニファー・キャンベル市議は「車依存社会からの脱却を試みる施策として、駐車場附置義務の撤廃を第一に掲げるのは不適切。“最後の手段” の一つと考えるべき」と反論する。

駐車場附置義務の撤廃が条例化されれば、自家用車を所有しない住人は、コンドミニアム購入価格とアパート賃貸料からパーキングスペース1台分のコストが減額される。

新条例が制定された場合、MTS 路線バスルート、SD トロリー、高速バス停留所、地元バスの頻発運行ルートから0.5マイル以内に建設予定のコンド/アパートが対象となる。

各交通機関の現ルートに加え、今後5年以内に延伸が計画されている路線も含まれる。

駐車場附置義務の撤廃とはいえ、新築物件から駐車場が消えるという意味ではない。

また、新築予定の一戸建て住宅と事業用建物には適用されない。

*注) フォールコナー市長は昨年10月、サンディエゴ市の環境保全について、2035年までに温室効果ガス半減を目標とする「再生可能エネルギー100%代替計画」を発表。市全体が風力/太陽エネルギー発電に完全移行するビジョンを明らかにしている。


(2019年3月16日号掲載)

マチャドがパドレスと合意、3億ドル

FA選手でハーパーに次ぐ高額

2019年3月3日

米大リーグのSD・パドレスがマニー・マチャド内野手と10年総額3億ドル (約333億円) の契約で合意したと、球団公式サイトが2月中旬に報じた。

アレックス・ロドリゲスが2007年にNY・ヤンキースと結んだ10年2億7500万ドルを上回った。

フリーエージェント (FA) 選手の契約としては、3月2日にフィラデルフィア・フィリーズと13年総額3億3000万ドル (約370億円) で合意したブライス・ハーパー外野手の米国スポーツ史上最高額に次ぐ金額。

マチャドは強打の内野手で、2012年にボルティモア・オリオールズでメジャーデビューし、2018年シーズン途中に移籍したドジャースからFAを宣言。

26歳と若く、三塁と遊撃を守れて通算175本塁打を放っており、移籍市場の目玉になっていた。

マチャドとの合意報道について、パドレスのプレラー・ゼネラルマネジャーは「必要な時に必要な選手を獲得する。

今の時点で話せることはない」と明言を避けた。

*写真はオリオールズ時代のマチャド内野手 (左はロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手)


(2019年3月16日号掲載)

NCAAバスケ、ゴンザガ大の八村

32得点の活躍、対USD戦

2019年2月8日

バスケットボール男子の全米大学体育協会 (NCAA) 1部でゴンザガ大 (ワシントン州スポケーン市) の日本人選手、八村塁 (はちむら・るい) は2月2日、スポケーンで行われたUSD戦に先発し、自己最多にあと1点と迫る32得点を挙げ、ゴンザガ大は85-69で勝った。

34分間出場した八村はファウルを受けながらシュートを決めたり、スチールからダンクにつなげたりするなど見せ場をつくった。

フュー監督も「相手は得点しづらいチーム。彼がやったことは決して簡単なことではない」とエースを称えた。

守備面でも7リバウンドと活躍。

相手エースとマッチアップし「3点シュートを決められたりしたが、攻撃でしっかりやり返した」と胸を張った。

身長201センチの八村はアフリカのベナン出身の父と日本人の母を持つ。

ゴンザガ大はAP通信が発表した今シーズン開幕前のランキングで同校史上最高の3位となった。

同大は米プロバスケットボールNBAのジャズで活躍した名選手ジョン・ストックトンなどを輩出してきた強豪校。

これまで以上に注目を集めるシーズンとなり、八村への期待は大きい。


(2019年3月1日号掲載)

2017年の全米憎悪犯罪7,175件、17%増

サンディエゴ郡は121件、15%増

2019年2月15日

米連邦捜査局 (FBI) の発表によると、2017年に米国内で起きた憎悪犯罪 (ヘイトクライム) 件数は7,175件に上り、2016年と比べ17%増加している。

FBIによると、憎悪犯罪の対象は人種や民族が59.6%、宗教が20.6%、性的指向が15.8%。

人種の内訳は黒人が48.6%で最も多く、宗教はユダヤ教への偏見が58.1%で最多だった。

一昨年10月にはペンシルベニア州のシナゴーグ (ユダヤ教会堂) で11人が殺害された銃撃事件が発生した。

憎悪犯罪などで起訴された被告はユダヤ人を殺害する意図があったと供述しており、トランプ大統領の社会の分断を煽 (あお) る発言が影響を与えたとの批判も出ている。

最近では、シカゴ中心部の路上で1月29日未明、男優のジャシー・スモレットさん (36) が、2人組の男に顔を殴られたり首にロープを巻かれたりした。

スモレットさんは黒人で、同性愛者であることを公表しており、警察当局はヘイトクライムとみて調べている。

スモレットさんは事件後、自分で病院に行った。

大きなけがを負ったとは伝えられていない。

2人はトランプ大統領の選挙キャンペーンの合言葉や、人種や性的指向を差別する言葉を口にしながらスモレットさんを暴行し、化学薬品のようなものも浴びせて逃走した。

スモレットさんは、音楽業界で活躍する黒人家族を描いた人気ドラマに出演し、ドラマでの役柄も同性愛者だった。

性的少数派の権利擁護活動でも知られる。

サンディエゴ郡で2017年に報告されたヘイトクライム件数は121件で、2016年と比べ15%増加。

全米統計の17%に近い上昇率を示している。

2018年の統計は未発表だが、サンディエゴ地区検察局によると、郡内のヘイトクライム訴追件数は昨年11月末時点で28件を数え、前年 (2017年) の2倍となっている。

最近の例では、昨年12月、パウエーに住むユダヤ系家族が自宅に「ハヌカー」 (ユダヤ教献納祭) の飾り付けをしたところ、何者かがナチスの象徴である “鉤 (かぎ) 十字” をスプレーで吹き付けるという事件が起きている。

サンディエゴ郡内のヘイトクライム件数は2010年 (172件) 以降は横ばい、あるいは漸減傾向が続いたが、トランプ氏が大統領選に勝利した2016年に増加へと転じた。

過去12年間で最多を示したのは2006年 (181件)。


(2019年3月1日号掲載)

ナ・リーグ指名打者制は見送り

SDのスポーツ記者は導入賛成

2019年2月10日

米大リーグ機構 (MLB) のオーナー会議が開かれ、選手会との間で検討していたナ・リーグ (NL) での指名打者制 (DH) の導入を見送ったと2月8日、AP通信が報じた。

一方で、投手にイニングが終わるまでは3人以上の打者との対戦を義務づけることや、投球間の時間制限などのルール変更は引き続き、話し合うという。

6月にロンドンでレッドソックス-ヤンキースで史上初の欧州での公式戦を行うが、来季もメッツ-ナショナルズか、カブス-カージナルスでのロンドン開催を計画している。

試合時間短縮を推進するMLBコミッショナー、ロブ・マンフレッド氏は、かねて投球間隔を20秒以内にする提案をしているものの、選手会の同意なしの導入には消極的な姿勢だ。

ナ・リーグのDH導入案について、サンディエゴのスポーツ記者の間では、実現すればパドレスは大きな恩恵を受けるとして賛成派が多かった。

「攻撃力が乏しい」とのネガティブな定評に悩むパ軍。

投手の打順スポットに長距離打者を入れることで、得点力がアップされるのは自明の理。

加えて、投手陣をデッドボールや自打球、ベースランニングでの負傷という危険性を回避できるというのが論拠だ。


(2019年3月1日号掲載)