サンディエゴに山火事の季節到来、消火体制は万全?

サンディエゴに山火事の季節到来、消火体制は万全?

2003年、2007年の大規模火災を教訓に危機管理強化

2017年9月20日

© Jason Batterham

サンディエゴ市消防局長のブライアン・フェネシー氏は9月18日、サンディエゴ市議会の公安委員会で、南カリフォルニアでの森林火災の発生率が高くなる10月を見据えつつ、今年後半における山火事発生の予測を発表した。

フェネシー局長によると、サンディエゴ郡の今年初めから9月までの降雨量は平年を上回り、山間部の湿気レベルも高めで、危険度は抑えられているという。

しかし、昨年前半のエルニーニョの影響による湿潤気候、さらに今年中旬のモンスーン気候に似た集中豪雨が雑木林の成長を促し、今年後半からの乾燥状態が11月過ぎまで継続すると予想されることから、枯木が例年以上に増加していると指摘。

今後、高温や内陸からの熱風が吹き込むサンタアナ現象が続くなら、これらの枯木群が火種となり、大規模な森林火災に発展する恐れもあると警告する。

また、フェネシー局長は、現在の防火/消火体制にも言及し、2003年と2007年に発生した森林大火災の教訓から、消防隊員の増員、消火装備の拡充、引火性の強い枯木密集地の整備に取り組んできたと語った。

現在、サンディエゴ市消防局は、消防車82台、消防はしご車21台、森林火災の鎮火に向けた特殊仕様の消防車2台、375ガロンの散水力のある消火ヘリコプター2台、さらに2,600ガロンの大量水を運べるSDG&E提供による「ヘリタンカー」 1台を備えており、消火体制は万全だという。

2007年の大型森林火災では、2003年大火の教訓が生かせず、空からの消火活動を準備していた米空軍/州兵機およびヘリの出動に問題が生じた。

カリフォルニア州森林火災予防局の規定 (当時) では、米軍機が消火活動を行うには、山林消防士として訓練され、地上の消防士と連絡を取りながら操縦士に消火剤を撒く位置を指示する「スポッター」と呼ばれる監督者が1機に1人同乗しなければならなかった。

10年前の大火では、すぐにサンディエゴ郡のローカル機数機が消火活動に出動。

米軍6機も待機していたが、スポッター不足から離陸ができず、州当局はやむなく1人のスポッターが3機編隊指揮を可能にする規定に変更し、1日遅れて、空軍ヘリのシーホークス2機と州兵ヘリ1機がようやく飛び立ったという経緯がある。

現在では米軍連携による危機管理体制の既定も見直され、迅速な対応が期待できるという。

ただ、今年はカリフォルニア中北部の森林火災が広範囲で発生し、サンディエゴから多くの消防隊員と消防車/ヘリが出動要請を受けて長期の派遣を余儀なくされている。

このような状況から、地元の山火事への鎮火活動に齟齬 (そご) をきたす恐れもあるとフェネシー局長は懸念する。

2003年の大火災では郡内の焼失面積28万エーカー/焼失・損壊建物2,300戸、2007年も焼失面積37万エーカー/焼失・損壊建物2,400戸という甚大な被害をもたらした。


(2017年10月1日号掲載)