SD郡のA型肝炎死者17人、患者500人に迫る勢い

SD郡のA型肝炎死者17人、患者500人に迫る勢い

非常事態宣言から1か月、ホームレス収容テント、予防接種など

2017年10月5日

サンディエゴ郡保健福祉課の発表によると、昨年11月から今年10月3日までに同郡内でA型肝炎と診断された人は481人に達し、500人に迫る勢いで患者数が増加している。

そのうち17人が死亡した。

死者全員に肝機能障害や自己免疫疾患などの持病があり、その多くが路上生活者 (ホームレス) や麻薬使用者だった。

今回のA型肝炎の流行は例外的に速い感染ペースを示しており、郡当局は9月1日に非常事態を宣言し、緊急対策として、発生源とみられるサンディエゴ市街地東部のホームレス密集地域を消毒し、約40個の簡易手洗所を設置した。

さらに、市当局は医療従事者、建設工事従事者、ホームレス支援組織関係者、食品サービス従事者など、A型肝炎の感染危険度の高い人々を対象として予防接種を進めていく構えだ。

A型肝炎は糞 (ふん) 便を介しての経口感染のほか、加熱不十分のままウイルスに汚染された野菜・魚介類を食べたり、性交渉を通しても感染する。

小児は比較的軽症で終息する傾向にあり、成人でも黄疸 (おうだん)、発熱、下痢、嘔吐、倦怠感などの症状を呈することがあるが、前述した肝機能障害や自己免疫機能障害などの持病がない限り、死に至ることは稀 (まれ) なケースとされている。

肝炎ウイルスには複数の型がある。

病気の原因として重要な型は4種類。

具体的には、飲食物などを通じた感染が知られているA型、E型と、血液などを介して感染し、慢性化し肝硬変やがんの原因になるB型、C型。

このように原因ウイルスが複数あって感染ルートも異なる上、慢性肝炎が悪化して死亡するのは感染から数十年後といった特徴もある。

このため、ウイルス肝炎全体を合わせた死者数を見積もることは難しい。

高齢者ほど重篤になる危険性が高くなる。

予防としては、十分な加熱調理のほか、トイレの後に石けんと温水で少なくとも20秒間の念入りな手洗いを励行する心掛けが必要。

高齢者はワクチン接種による免疫強化も有効対策となる。

(予防接種を受けられる場所についての情報は phone: 2-1-1)

フォールコナーSD市長は10月4日、A型肝炎大流行への対策として、バルボアパーク近くの公用地にホームレス用のテントを設営すると発表した。

収容人員は200人余りで、警備、食料備蓄、シャワー、トイレなどの機能が整備され、10月9日にオープン予定だという。

カリフォルニア州当局はサンディエゴ郡の非常事態宣言を受け、救急医療技師 (パラメディックス) に時限付きでワクチン投与の権限を認可する決定を行った。

これにより、パラメディックスは看護師の監督下で、特設会場での予防接種を感染危険度の高い人々に行うことができるようになった。


(2017年10月16日号掲載)