全遺伝情報解析を大幅に迅速化、世界記録の19時間半

全遺伝情報解析を大幅に迅速化、世界記録の19時間半

サンディエゴの「レディ小児科ゲノム医療研究所」チーム

2018年2月20日

サンディエゴ市バードランドにある「レディ小児科ゲノム医療研究所」 チームは、ヒトゲノム解析に要する時間を世界最速となる19時間半まで短縮することに成功し、2月3日に「ギネス世界記録」に登録された。

この記録はレディ小児科ゲノム医療研究所の初代所長、スティーヴン・キングズモア博士の指揮下で達成され、2月中旬にサンフランシスコとフロリダ州オーランドで開かれた遺伝子学会で発表されている。

キングズモア博士は3年前、ミズーリ州カンザスシティにある小児慈恵病院の遺伝子解析チームの最高責任者時代に、それまでの最速記録だった50時間から26時間への短縮に成功している。

今回はさらに6時間半の短縮を実現し、19時間半という驚異的な記録となった。

同博士によると、解析時間の飛躍的向上は、先進的なゲノムシークエンス技術を誇るサンディエゴのバイオ企業 「イルミナ」 の貢献が大きいと話す。

イルミナが使用しているプラットフォームは “NovaSeq 6000 Sequencing System” と呼ばれ、高速解析機能を備えた最新機器を搭載し、高品質、高カバレッジのゲノム解析処理を可能にしている。

イルミナは2009年にゲノム解析サービスを開始。

DNAシークエンス処理における時短記録の度重なる更新により、遺伝子研究のメッカとして知られるサンディエゴのバイオ企業の高い技術力を内外に示した。

ゲノム解析の迅速化は、遺伝子の特性により、生死に関わる病気を子供にもたらす可能性を予見し、予防対策を講じる上で重要な要素となる。

遺伝情報をハイスピードで明らかにするシークエンス処理は、一人一人の遺伝的な病気を知ることができ、個人に最適な治療法を得る道を開いた。

新生児の約10%にみられる発作や心臓の不具合を事前に予測し、重篤な症状を未然に防ぐこともできる。

遺伝障害に見舞われた新生児は、後に精神機能障害に悩まされるケースが少なくないという。

今後、遺伝子情報の集積が進んで、データのグローバルベースが構築されることから、ゲノム医療の長足的進歩に期待が寄せられている。


(2018年3月1日号掲載)