中米諸国からの移民キャラバン、メキシコ縦断、米墨国境へ

中米諸国からの移民キャラバン、メキシコ縦断、米墨国境へ

ティフアナ/メヒカリに約300人到着、亡命求め米国目指す

2018年5月1日

「戻れば殺される」。

治安悪化が激しい中米諸国から逃れ、米国を目指してメキシコを縦断してきた移民キャラバン (集団) のうち、約300人が4月25日、カリフォルニア州と国境を接するメキシコ・バハカリフォルニア州の2都市、ティフアナとメヒカリに到着した。

トランプ政権は移民らの不法入国に警戒を強め、州兵動員などで国境警備を強化する構えを取っている。

キルステン・ニールセン国土安全保障長官は4月23日、移民らの動きを注視しており、米国に不法入国すれば法律で裁くと警告する声明を出した。

一方で、今後は順次、米国への政治亡命申請の手続きを行うことも明らかにしている。

4月29日には、米国への亡命を求め、ティフアナに集団で移動した移民約200人のうち約50人が、米側の施設で入国審査を受けるため、メキシコの国境施設から徒歩で米側に向かった。

国境警備兵との衝突も予想されたが、大きな混乱はなかった。

残る約150人も順次米国へと向かう予定。

トランプ大統領は移民政策の厳格化を掲げ、国境地帯への州兵動員を緩めていない。

人権団体は、トランプ氏が「国境の壁」建設に向け、移民集団への危機感を煽 (あお) って政治利用したと批判している。

この日、ティフアナ中心部から国際人権団体メンバーらと国境施設へ移動を始めた約200人の多くは女性や子供だった。

車いすの女性の姿も見られた。

「われわれは犯罪者ではなく労働者だ。トランプ大統領、チャンスを与えて」などと叫びながら米側に向かった。

メキシコ当局は大勢の警官を配備し、物々しい雰囲気に包まれた。

米側のフェンスには、亡命希望者を支持し、彼らの人権擁護を唱和するグループも集まっていた。

地元メディアの報道によると、5月1日現在、ティフアナからは8人の政治亡命が認められ、米側サンイシドロ国境で手続きが開始された。

8人の内訳は3組の母子 (母3人、子4人) とギャングメンバーから逃れてきたホンジュラス出身の18歳少年。

8人の亡命が認可された一方で、キャラバンに同行して米国に向かった移民11人が不法入国者として逮捕されている (米司法省発表)。

移民の多くは、ギャングの抗争などで治安悪化が著しい中米のホンジュラスやエルサルバドルから逃れてきた人々。

3月末にメキシコ南部を北上するのを受けて、警戒を強めるトランプ氏が州兵動員を指示していた。

*写真は政治亡命を求めてティフアナの米墨国境に到着した移民キャラバン (4月29日)


(2018年5月16日号掲載)