聖域都市への圧力「違法」、移民めぐる大統領令の高裁判断

聖域都市への圧力「違法」、移民めぐる大統領令の高裁判断

不法居住者に寛容な自治体、SDは “sanctuary city” にあらず?

2018年8月3日

カリフォルニア州のサンフランシスコ連邦高裁は8月1日、不法移民に寛容な「聖域都市」 (sanctuary cities) に対する補助金停止を盛り込んだトランプ大統領による大統領令は「憲法違反で越権行為だ」として、一時差し止めの仮処分を命じた一審判断を支持した。

効力の及ぶ範囲はカリフォルニア州のみとした。

不法移民の取り締まり強化を掲げるトランプ氏は昨年1月の大統領就任直後、聖域都市への補助金停止を盛り込んだ大統領令に署名。

シカゴなどリベラルな聖域都市でも同種の訴訟が相次いでいる。

米メディアによると、司法省報道官は連邦高裁の判断に「カリフォルニア州で暮らす不法移民の勝利だ」と反発した。

聖域都市は不法滞在を取り締まる連邦政府機関への協力に消極的とされる。

トランプ政権は特に、移民が多く暮らすカリフォルニア州に対する締め付けを強めている。

連邦高裁は連邦政府の補助金支給などの決定権は議会にあるとして、大統領令の違法性を指摘した。

ただ、一時差し止め命令の効力が全米の都市に及ぶとした一審の判断については差し戻した。

サンフランシスコ市は2017年1月、同市などを “制裁” するとしたトランプ大統領の大統領令は違憲だとして、連邦裁判所に提訴していた。

ところで、サンディエゴも聖域都市に含まれるのだろうか。

サンディエゴは一般的に保守色の強い土地柄というイメージがある反面、メキシコ国境に近く、不法滞在移民への取り締まりは「甘い」 と言われている都市でもある。

ビル・ゴアSD郡保安官は補助金停止措置を含む大統領令を受けて、サンディエゴは聖域都市ではないと宣言。

その理由として「サンディエゴ市警察 (SDPD) は移民を含む住民全員の安全を守る職務に就いているが、犯罪に手を染めた移民については逮捕後に滞在資格の有無を確認し、違法性があれば移民税関捜査局 (ICE) に通知している」と語った。

ケヴィン・フォールコナー市長も、同じ理由から「サンディエゴ市は連邦機関 (国土安全保障省) に協力している」とし、大統領令の対象にはならないとの見解を示している。


(2018年8月16日号掲載)