「殺人ロボット兵器」 禁止論に広がり、国連公式専門家会議

「殺人ロボット兵器」 禁止論に広がり、国連公式専門家会議

非政府組織 (NGO) を軸に条約制定目指す動きも

2018年8月20日

ジュネーブで開かれ9月1日に閉幕した「殺人ロボット兵器」の規制を巡る国連公式専門家会議では、禁止条約制定を視野に交渉開始を求める提案が出されるなどロボット兵器禁止論が着実に広がっていることが示された。

非政府組織 (NGO) を軸に条約制定を目指す動きが強まる可能性もある。

「ロボット兵器禁止への機運は高まりつつある。各国はさらなる行動に向け踏み出してほしい」。

対人地雷全面禁止運動でノーベル平和賞を受賞したジョディ・ウィリアムズさんは8月27日の会議初日に記者会見し、条約の必要性を訴えた。

殺人ロボット兵器は人工知能 (AI) を持ち、人間の意思を介在せずに敵を殺傷できる兵器。

米国などが開発を進めているとされる。

特定通常兵器使用禁止制限条約 (CCW) の枠組みで昨年11月に初の専門家会議が開かれ、今回は2回目だ。

規制をめぐってはアフリカや中南米の途上国などが禁止条約制定に前向きな一方、開発技術を持つ米国や英国、ロシアなどは否定的。

日本も民生技術への影響を懸念し慎重だ。

会議は来年も議論を継続すべきだとする報告書を採択したが、外交筋は「全会一致制を取るCCWの枠組みでの議論には時間がかかる。条約が制定できるとしていつになることか」と漏らす。

一方でロボット兵器に対する市民社会の懸念は急速に高まっている。

IT大手グーグルは6月、軍事目的のAI技術開発に関与しないとの倫理原則を公表。

ベルギー議会は7月、軍にロボット兵器の使用禁止を求める決議を採択した。

全面禁止を訴えるNGOの連合体「キラーロボット反対キャンペーン」は、国連での議論が進まなければ、対人地雷禁止条約 (オタワ条約) の例に倣 (なら) い、有志国とNGOによる禁止条約制定交渉開始もあり得るとしている。


(2018年9月16日号掲載)