トランプ大統領、逆風の3年目、壁建設停滞

トランプ大統領、逆風の3年目、壁建設停滞

政府閉鎖は長期化、対中朝で局面転換狙う

2019年1月20日

トランプ大統領は1月20日、就任3年目に入った。

看板政策のメキシコ国境の壁建設は停滞し、政府機関の閉鎖も長期化している、ロシア疑惑の捜査は大詰めを迎えたとされ、政権は逆風の真っ只中にある。

中国との貿易協議や2回目の米朝首脳会談など外交で成果を演出し、局面転換を図りたい考えだ。

トランプ氏は19日、国境の壁をめぐり「重大発表」と銘打って国民向けに演説した。

打ち切り方針を表明した移民政策に3年間の猶予期間を設け、代わりに壁建設の予算を認めるよう訴える内容だったが、民主党は一蹴。

壁については8日にも演説している。

2020年大統領選での再選をにらみ、求心力を高めようと危機感を煽る手法を続けるとみられる。

トランプ氏には ① 対立する民主党が下院多数派を獲得したことによる「ねじれ議会」、② 2016年大統領選でトランプ陣営とロシアが共謀した疑惑をめぐる捜査 —— が立ちはだかる。

ねじれ議会により、民主党の賛成なしに法案は通らなくなり、国境の壁も民主党が強く反対して予算が成立していない。

一部政府機関の閉鎖は過去最長記録の更新を続け、1月22日で1か月となった。

政府閉鎖について、主要世論調査では過半数が「トランプ氏と共和党の責任」と答え、国民の不満が強まっている。

ただ、公約の壁建設が進展しなくてはトランプ氏の支持基盤が崩れる恐れがあり、国民の分断を深めてでも建設に突き進むようだ。

ロシア疑惑を捜査するモラー特別検察官の報告書に、ロシアとの共謀やトランプ氏による捜査妨害の具体的事実が盛り込まれれば、民主党は弾劾訴追に向けた動きを本格化させるとみられる。

好調を維持してきた米経済も、トランプ氏が誇る株価は昨年末に下がる動きを見せ、先行きに不透明感が漂い始めた。

そうした中、トランプ氏は中国との交渉や北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との再会談に活路を見いだそうとしている。

トランプ氏は景気減速に直面する中国が譲歩せざるを得ない状況に置かれているとみており、強硬姿勢で貿易協議を押し切る構え。

北朝鮮の非核化は首脳会談で突破を図る考えだ。

2月下旬にも開催される再会談までに、事務レベルでどれだけ核査察や体制保証をめぐる溝を埋められるかが成否を左右する。


(2019年2月1日号掲載)