クルーズは裏切らない『トップガン マーヴェリック』 軍港都市サンディエゴを背景に36年ぶりの続編

2022年7月15日

トムクルーズを一躍スターにした1986年のスカイアクション『トップガン』の続編トップガン マーヴェリック』 (2時間11分) が5月に公開され、オリジナル作品から36年ぶりとなる2作目として話題を呼んでいる。

7月14日時点の『マーヴェリック』の米国興行収入が6億596万ドル (約835億円) に達し、パラマウント・ピクチャーズの史上最高記録となった。


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レイバンのサングラスをかけ、カワサキのバイクで疾走するあの男が、スクリーンに再登場。

米海軍のエリートパイロット養成学校「トップガン」。

かつてない困難な任務を命じられたチームの教官に、伝説のパイロットであるマーヴェリック (クルーズ) が着任する。

メンバーには、かつて訓練中に命を落とした相棒グースの息子もいる。


主演はもちろんトム・クルーズ。

アクションも色気も衰え知らずのスターはファンの期待を決して裏切らない。

脚本もよく練られており、続編映画として出色の出来だ。

共演はエド・ハリス、マイルズ・テラーら。

監督はジョセフ・コシンスキー。


冒頭から前作の主題歌「デンジャーゾーン」が流れ、ボルテージは急上昇。

そこに登場するマーヴェリックが相変わらず無鉄砲でうれしい。

「教官役なんて見たくない」という心配は無用。

新世代トップガンたちとともに「そのミッション、インポッシブル!!」と叫びたくなるような危険な任務に感情移入してしまい、自らもその世界に加わることになる。


スタントマンを使わないことで知られるクルーズだけでなく、若きトップガンを演じた俳優たちも訓練を受け、本物の戦闘機に乗り込んで撮影を行った。

パイロットが強烈なG (重力加速度) にさらされる様子や、敵機との激しい空中戦は、CGでは描けない圧巻のリアリティーだ。


息子との絆を通じて描かれる亡き友への思い、過去のロマンスの再燃など、胸が熱くなる要素も満載。

時を経てもなお、爽快感あふれる青春映画なのがスゴい。


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オリジナル版でもそうだったが、続編でも軍港都市サンディエゴが大きな役割を担っている。

現実の「トップガン」は最終的に海兵隊ミラマー基地からネバダ州の空軍基地に移管されたが、今でも、カリフォルニアが戦闘飛行士たちにとって国内最高の故郷であることに変わりはない。

『マーベリック』の大部分が再びゴールデン・ステートで撮影された事実がそれを物語っている。


サンディエゴの主なロケ地は次の通り――。


◼︎ 海軍航空基地ノースアイランド:SD湾に面したコロナドのNASノースアイランドは、続編の最も象徴的なシーンの舞台となった。映画クルーは基地内の様々な格納庫、オフィスビル、道路でシーンを撮影した。

◼︎ ハードデックバー:NASノースアイランドに実在する酒場「Iバー」からインスピレーションを得て、基地のビーチに架空の海軍バー「The Hard Deck」を模造した。オリジナル映画のバーのシーンと同じように、トップガンの熱血漢が教官と知らず知らずのうちに初対面する場所として登場。ここでルースター役のマイルズ・テラーが父親の “グース” に倣 (なら) い、ピアノを弾いて「Great Balls of Fire」を歌い上げる。

◼︎ 航空母艦:実物の軍用装備を映画に登場させることで、最大限の現実的効果がスクリーン一杯に広がる。
作品公開前のプレスイベント (記者会見) で、海軍は映画に登場する2隻の実在の空母が、サンディエゴを母港とする USS エイブラハムリンカーンUSS セオドアルーズベルトであることを発表した。撮影は、この巨大空母がメンテナンスのために停泊している間に行われた。


サンディエゴ在住者には特別な親近感を味わえる映画作品に違いない。



*Picture:© Tea Talk / shutterstock.com



(2022年8月1日号掲載)