Thursday, 28 March 2024

中間選挙で勝利した共和党、オバマ政権と協調せず

中間選挙で勝利した共和党、オバマ政権と協調せず

強まる対決色、予算承認を “人質” に徹底抗戦の構え

2014年11月16日
obama gop

中間選挙で勝利した共和党が、オバマ政権との対決色を強め始めた。

「協調を模索する」と双方が歩み寄る姿勢を見せたのもつかの間、共和党は大統領権限で移民制度改革を断行しようとするオバマ大統領に反発。

予算承認を “人質” に取り、徹底抗戦すべきだとの意見が勢いづいている。

共和党が上下両院の多数党となる来年1月発足の新議会では、米政治がさらに行き詰まるとの懸念も広がってきた。

年末まで続く現在の会期は「レームダック (死に体) 会期」 と呼ばれるが、残り任期2年のオバマ政権と、議会共和党との今後の関係を占う試金石とされる。

焦点となっているのは、共和党が反対してきた大統領の移民制度改革だ。

大統領は年末までに自らの権限で、不法移民の滞在資格取得を可能にする改革に踏み切ると表明。

一方的な行動に走らないよう牽 (けん) 制するミッチ・マコネル共和党上院院内総務の言葉に耳を貸さず、正面突破を図る。

共和党のジョン・ベイナー下院議長は「大統領がこの路線を突き進むなら、あらゆる手段を尽くして戦う」と宣言したが、共和党内も揺れている。

強硬派は12月11日までに議会の同意が必要な予算案を盾に、大統領に圧力をかけるべきだと主張。

ただ、昨年10月には、この戦術で一部の連邦政府機関が実際に閉鎖に追い込まれ、共和党が批判を浴びた経緯がある。

マコネル氏は中間選挙後、政府機関の閉鎖は二度と起こさないと国民に約束したばかりだ。

共和党指導部は長期の予算案を一括承認し、新議会では医療保険改革法の抜本改正など党の優先課題に集中したい考え。

強硬派との折衷案として、来年初めまでの短期暫定予算の承認にとどめ、政権を揺さぶるカードを温存するとの選択肢も浮上している。




(2014年12月1日号掲載)