絶滅種コンドルの保護を米墨2国間で
SD動物園主導の繁殖プログラム
2014年11月12日
カリフォルニアコンドルの絶滅回避に向けて、SD動物園とメキシコシティのチャプルテペク動物園の協力で、米国 — メキシコ2国間による繁殖プログラムが11月に発足した。
チャプルテペク動物園では2007年にSD動物園から送られた2羽のオスが飼育されている。
今回のプログラムは、さらに SD動物園とサンタバーバラ動物園からメス2羽を送ることにより、繁殖の機会を設けようというもの。
SD動物園からは野生動物学者、両国政府からは環境担当行政官もプログラムに参加し、繁殖までの観察と記録を続ける。
次世代コンドルが誕生すれば、バハカリフォルニア州のシエラ・デ・サンペドロ・マルティル国立公園に放鳥される。
カリフォルニアコンドル絶滅回避運動はSD動物園の主導で2002年に開始。
これまでに6羽が自然界へ放鳥されたが、メキシコ国内で飼育が行われるのは今回が初めて。
カリフォルニアコンドルは、翼を広げた状態の全長が約3メートル。
北米大陸の太平洋岸に生息する最大級の鳥だが、宅地開発などが原因で20世紀初頭から個体数が減少し、1982年には23羽まで激減した。
現在、全世界で確認されているコンドル属の総数は425羽と報告されている。
(2014年12月1日号掲載)