学生1人の遺体確認、焼死体で鑑定困難
メキシコ南部、43人行方不明事件の解明へ
2014年12月7日
メキシコ南部ゲレロ州で9月に学生43人が行方不明になった事件で、学生とみられる遺体を調べていたアルゼンチンの専門家は12月6日までに、学生1人のものと特定できたと発表した。
メキシコのメディアなどが同日報じた。
遺体は同州コクラのごみ捨て場で見つかっていたが、激しく焼かれていたため鑑定が困難で、オーストリアの専門機関に送られていた。
学生たちは9月26日に姿を消した。
多くは左翼系で、乗っていたバスに地元警察が発砲するなどして学生3人を含む6人が死亡。
他の学生たちは警察に連れ去られた。
同国警察は10月、事件に関与したとみられるゲレロ州イグアラ市のホセ・ルイス・アバルカ元市長と妻のアンゲレス・ピネダを逮捕した。
連邦検察によると、学生はイグアラ市のアバルカ元市長の命令により、地元犯罪組織の手に渡って殺害されたとしている。
容疑者の妻の家族はこの犯罪組織のメンバーだった。
10月中旬には、地中に埋められるなどした多数の焼死体や切断された遺体がイグアラ市内で見つかっている。
同事件ではメキシコ各地でみられる警察と地方有力者、犯罪組織の癒着が露呈。
政府の責任を問う大規模デモなどが起きている。
(2015年1月1日号掲載)