Friday, 19 April 2024

火星のクレーター、30億年前は湖だった

火星のクレーター、30億年前は湖だった

無人探査機キュリオシティーの調査

2014年12月9日


mars curiocity無人探査車キュリオシティーが着陸した火星のクレーターは、30億年以上前には大量の水で満たされた巨大な湖だった可能性があると、米航空宇宙局 (NASA) が12月8日に発表した。

クレーターの直径は約150キロ。

キュリオシティーは2012年8月にクレーター内に着陸した後、約8キロの距離を走行しながら岩石を分析し、扇状地のような地形や層状になった堆積岩をさまざまな場所で発見した。

NASAの研究者はかつて火星が温暖だった30億年以上前に、周囲から雪解け水などが流れ込んで堆積物が沈殿したと推定している。

こうした活動は数千万年の長期にわたって繰り返し続いたとみられ、クレーターの中央に位置する高さ5キロのシャープ山の基部も、堆積岩が層状に積み重なってできた可能性があるとNASAはみている。

キュリオシティーは、予定していた2年間の探査期間を超えて活動を続けている。

既に岩石分析などから太古の火星が水にあふれた環境だった証拠を見つけるなどの成果を挙げている。

キュリオシティーは昨年以降、粒子が粗い火星の土との相互作用で車輪が想定以上に摩耗するトラブルに見舞われており、NASAのチームは安全なルートを選びながら運用している。


(2015年1月1日号掲載)