陸自と米海兵隊、水陸両用車による離島奪還訓練
キャンプ・ペンデルトンで日本約270人、米国約500人参加
2015年3月5日
陸上自衛隊と米海兵隊は2月21日、サンディエゴ郡北部のキャンプ・ペンデルトンで行っている日米共同訓練で、陸自隊員が初めて米軍の水陸両用車「AAV7」に乗り込み、敵に奪われた離島を奪還する作戦を公開した。
これは沖縄県・尖閣諸島をめぐる中国との対立を踏まえ、日米の連携を確認するとともに、離島防衛能力をアピールする南西諸島防衛強化策だ。
AAV7は海上で船舶のように航行し、そのまま上陸して走行できる。
陸自は離島奪還作戦での投入を念頭に導入を決定、2017年度末に新設する「水陸機動団」に52両を配備する計画。
本番訓練に向けた予行の位置付けとして、海兵隊のキャンプ・ペンデルトンを敵に奪われた離島に見立てて先遣の偵察ボート部隊が上陸。
その後、日米の隊員が乗り込んだ12両のAAV7が数百メートル沖に展開し、浜辺に向かって一気に乗り上げた。
訓練後には陸上に止めたAAV7の内部を報道陣に公開。
後部のスペースに最大21人乗ることができる。
この日は搭乗した陸自隊員が車両後部のハッチから次々と飛び出し、身を伏せ小銃を構える動作を繰り返した。
訓練は「アイアン・フィスト (鉄の拳)」の通称で呼ばれる。
2006年に始まり今回が10回目で、1月19日~3月7日の日程で実施中。
陸自からは離島防衛が主任務の西部方面普通科連隊 (長崎県佐世保市) ら約270人、米海兵隊からは約500人が参加した。
米本土での陸自と海兵隊の訓練は2006年に開始された。
一昨年の6月にはキャンプ・ペンデルトンで、陸海空3自衛隊の約1,000人が米軍の離島訓練奪還訓練に参加している。
(2015年3月16日号掲載)