SDイルミナ社、画期的な血液生検を開発
早期がんを発見するリキッドバイオプシー
2016年1月20日
ゲノム解読サービスで知られるSDのバイオテクノロジー社イルミナは、簡単な血液検査で様々なタイプの早期がんを診断できる技術を開発し、この画期的なサービスを提供する新会社グレイルをサンフランシスコに設立したと発表した。
新会社グレイルは遺伝子研究のトップ企業イルミナの塩基配列読み取り装置を使用し、変異を起こしたDNAを検出する「リキッドバイオプシー」と呼ばれる血液検査で診断を行う。
リキッドバイオプシーは、がんを対象にした組織採取の生体検査を血液で行う技術。
血液で生検ができるようになると、がんを早期発見する確率が高くなり、症状が出る前の早期治療を可能にし、患者の負担軽減につながる。
イルミナは新会社設立のための資金約1億ドル (約117億円) の50%超を準備。
出資者にマイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏、アマゾン・ドットコム創業者ジェフ・ベゾス氏が設立した企業投資基金ベゾス・エクスペディションも含まれている。
米国ではがんによる死者が毎年平均565,000人を数え、リキッドバイオプシーの技術に寄せる期待は大きい。
SDは医療バイオテクノロジー研究の中心地であり、他のライフサイエンス企業もリキッドバイオプシーの開発を進めている。
(2016年2月1日号掲載)