チャージャーズ、2016年はサンディエゴでプレー
長期残留のカギ握る新スタジアム建設の具体案
2016年1月30日
ロサンゼルスへの本拠地移転を検討しているチャージャーズ (NFL) のオーナー、ディーン・スパノス氏は1月29日、2016年シーズンはサンディエゴに留まり、現在のホームグラウンド (クアルコム・スタジアム) でプレーすると宣言した。
チャージャーズは10年以上前からホームグラウンドをクアルコム・スタジアム以外に求めて、ロサンゼルスを新たな本拠地とする意向を表明してきたが、NFLが1年間 (2017年1月15日まで) の決断猶予をチャージャーズに与えたことから、サンディエゴ残留に可能性を残し、スパノス氏の決断を導いた。
この発表に地元のチャージャーズファンは歓喜したものの、チームが来年以降もサンディエゴを本拠地として残留する条件には厳しいものがある。
スパノス氏は長期残留の条件として、ダウンタウンの新スタジアムを要望してきたが、市側はこれまで、諸々の制限からミッションバレーを候補地としてきたことから、スパノス氏とフォールコナー市長が同じテーブルに就く実務的な会談が実現しなかった。
今後、市側はダウンタウンスタジアムの可能性のほか、新スタジアム建設財源の具体案をチャージャーズ側に示し、スパノス氏の合意を得なければばならない。
また、今年11月の住民投票に新スタジアム建設を問うための署名活動が3月後半にも開始されそうだ。
登録有権者による約67,000の署名が必要とされているが、市議会が住民投票に諮 (はか) る議案を可決すれば19,000の署名で有効となる。
住民投票で新スタジアム建設が「是」 とされれば、チャージャーズの決断猶予期間は2018年まで延長される。
セントルイスからLA近郊への移転を承認されたラムズは、来年から同じスタジアムをチャージャーズと共有する可能性がある。
両チームは大筋合意しているとの報道もあり、SDの新スタジアムへの明確な展望がなければ、半世紀も地元に愛されてきたチームを失う結果になるだろう。
興味深い報道もいくつかある。
SD・ユニオン=トリビューン紙/10ニュースが地元住民500人を対象に行った世論調査 (1月30日実施) では、チャージャーズと市が合意した場合でも、新スタジアム建設への賛否がそれぞれ47%の同率という結果だった (無回答6%)。
ファンの支持率は65%と高率を示しているが、市民全体となると予断を許さない。
さらに、LA・タイムズ紙 (1月29日付) は、チャージャーズがLA移転に向けて、臨時トレーニング施設をサンタアナ (オレンジ郡) に作る計画があると報じている。
同じくLA・タイムズ紙 (1月24日付) は、LAのNFLファンがチャージャーズに寄せる “親近度” について調査しているが、チームのLA移転を歓迎するのは僅か4%だった。
(2016年2月16日号掲載)