Thursday, 28 March 2024

野茂氏パ軍フロント入り、アドバイザーとしてMLBに復帰

野茂氏パ軍フロント入り、アドバイザーとしてMLBに復帰

選手育成、球団編成、日本を含む環太平洋地域での事業促進など

2016年2月15日


nomo-padres米大リーグ (MLB) のサンディエゴ・パドレスは2月11日、1995年から2008年までロサンゼルス・ドジャースなどメジャー7球団に所属し、「トルネード旋風」 で人気を集めた野茂英雄氏 (47) がアドバイザーに就任したと発表した。

野茂氏は速球とフォークボールを武器に、日本プロ野球の近鉄・バファローズで5年間活躍した後、MLBで14年間プレーを続け、日米通算201勝を挙げた。

パドレスのフロント入りを果たした野茂氏は、球団の選手育成と編成部門、環太平洋地域での球団の事業展開に携わることになる。

野茂氏は球団を通じて 「パドレスに加われたこと、大リーグに戻れたことはとてもうれしい。

若手選手に何かを伝えられればいいし、自分にとっても勉強になる」と英語で談話を出した。

また野茂氏は、アリゾナ州ピオリアにあるパドレスの施設で行われている日本ハムのキャンプを訪問した際、記者団に「アドバイザー就任は半年ほど前に打診された」と語り、「パドレスが自分のことを分かってくれていて、アドバイスが欲しいということだった。

自分にできることをやりたい」と意欲を示した。

パドレスのA・J・プレラー・ゼネラルマネジャー (GM) は「彼の専門知識や情熱はチームの大きな財産になるだろう」と期待を寄せる。

パドレスのアドバイザーには、パ軍のクローザーとして16年間マウンドに立ち、歴代2位のセーブ記録 (601) を持つトレバー・ホフマン氏 (48)、ヒューストン・アストロズなどで長距離打者として活躍したモイゼス・アルー氏 (49) などの名選手がそろう。

アルー氏は父親の母国ドミニカ共和国の野球界の重鎮でもあり、米国との橋渡し役としての貢献が期待されている。

野茂氏も日本を中心としたパシフィック・リム (環太平洋地域) での事業促進の重責を担う。

パドレスは日本との関係強化を進めており、昨年11月にはMLBジャパンを通じて、未成年を対象とした「サンディエゴ・パドレス・少年野球教室」を東京都と高知市で開催している。

この野球教室には、パ軍のブランドン・マウラー投手、球団運営補佐マーク・ロレッタ氏 (2003~05年にパ軍内野手としてプレー) らが参加し、日本の若き球児たちを指導した。

またパドレスは、メジャーに7年間在籍した後、昨年、楽天・イーグルスから現役引退を表明した斎藤隆投手 (45) をインターンシップ (就業体験) として球団フロントに招いた。

斎藤氏はメジャー球団首脳らが集う昨年12月のウインターミーティングに参加するなど、1年を通して編成からデータ分析、代理人との折衝などの業務に携わっている。


(2016年3月1日号掲載)