Thursday, 28 March 2024

次期大統領に書簡「科学的知見を政策に」

次期大統領に書簡「科学的知見を政策に」

ノーベル賞のモリーナUCSD栄誉教授ほか

2016年12月1日


「地球温暖化はでっちあげだ」と主張するトランプ次期大統領に対し、ノーベル賞受賞者22人を含む全米の2,300人以上の科学者が11月30日、正しい科学的知見を政策に取り入れるよう求める公開書簡を送った。

書簡には、フロンによるオゾン層破壊の危険性を指摘して1995年にノーベル化学賞を受賞した、カリフォルニア大学サンディエゴ校 (UCSD)のマリオ・モリーナ栄誉教授も名を連ねた。

「異常気象や海面上昇などの温暖化の脅威に対応するための政策は、政治や企業の意向に左右されない科学に基づくべきで、既得権益を守ろうとする人々の意見を聞いてはならない」などと綴 (つづ) った。

科学誌サイエンスを発行する米科学振興協会も11月18日、トランプ氏が科学を否定する主張をしたことを懸念し、今後は科学に基づく政策を進めるよう求める声明を最高経営責任者のラッシュ・ホルト・Jr.氏の名前で発表した。

さらに「公務に携わる者は、地球温暖化や銃を使った暴力、薬物中毒など、研究によって明らかになった公共の問題からは逃げられない」と主張。

トランプ氏が大統領に就任した後には、科学的な事実を基づいた政策を進めるよう求めた。


(2016年12月16日号掲載)