難民受け入れ凍結、入国制限にUCSDで抗議集会

難民受け入れ凍結、入国制限にUCSDで抗議集会

トランプ氏の恣意的な運用に懸念、全米で大規模デモ

2017年1月31日

トランプ大統領が難民受け入れ凍結やシリアなどイスラム圏7か国からの入国禁止を決めた大統領令をめぐり、全米で1月29日、大規模な抗議デモが相次ぐなど混乱が続いた。

米国内外で批判が噴出する中、トランプ氏は入国制限措置を維持する構えを崩しておらず、事態収拾の兆しは見えない。

少なくとも4州の連邦地裁で、正当な滞在資格を持つ市民の強制送還停止を命じる決定が出されたが、弁護士の面会を認めないなど判断に従わないケースも出ている。

ケリー国土安全保障長官は29日の声明で米永住権を持つ7か国の出身者の入国を認める方針を確認した。

一方、プリーバス大統領首席補佐官は永住者で7か国への渡航歴があれば任意で拘束できると発言。

統一的な指針が確立していない可能性があり、大統領令の恣意的な運用への懸念が強い。

トランプ氏は声明の中で、テロ阻止へ安全策が確保できれば、査証発給が再開されると述べた。

全米10都市以上で行われたデモには数万人が参加。

サンディエゴでは1月30日、UCSDの学生がトランプ氏の大統領令への抗議活動を行った。

地元メディアによると、キャンパス内を行進した参加者は数百人に及んだ。

学生たちは 「憎しみも、恐れもなく、難民を歓迎する」 と書かれたプラカードなどを掲げてキャンパス内を行進した。

集会を呼び掛けたのはコミュニケーション学を専攻するイラン人の男子留学生で、彼のフェイスブックには参加の意志を告げる約1,000人から反応があったという。

UCSDには入国禁止の対象となった中東7か国から495人の大学院生、40人の大学生が昨年秋に入学している。

そのうち95%がイランからの留学生だ。

世界中から優秀な人材を集めてきた米国のビジネスや教育の現場にも混乱が広がっている。

7か国出身の研究者や学生が空港で足止めになるケースが相次いでいるほか、国外滞在の社員の移動に影響が出ているもようだ。

ニューヨークのデブラシオ市長は「米国の価値観を破壊する行動だ」と大統領令を強く批判した。


(2017年2月16日号掲載)