北米を縦断する “渡り蝶” の保護を!

北米を縦断する “渡り蝶” の保護を!

SDでも目撃できる数百万羽の移動

2017年3月1日

数百万羽の大群で春季にカリフォルニア南部/メキシコから北米大陸をほぼ縦断飛行する蝶、オオカバマダラの存在は知られており、サンディエゴ上空でも移動する姿が目撃できる。

約3,400マイル (約5,500キロメートル) の長距離を北上する “渡り蝶” オオカバマダラは、世代交代を繰り返しながら、夏を迎える頃にロッキー山脈/カナダ山岳地帯に到達する。

8月になると、そこで羽化した “新世代” が復路としての南下を開始し、カリフォルニア南部/メキシコで越冬するという行動を続ける。

しかし、世界自然保護基金 (WWF) とメキシコ政府の調査では、昨年冬にカリフォルニア全域とメキシコ北部を襲った豪雨により、オオカバマダラが越冬する森林100エーカー以上が流出するなどの被害を受け、全体数約8400万羽 (推定) の7.4%に当たる約620万羽が死滅したと報告されている。

この影響で、今年春に集団移動するオオカバマダラの数は前年比27%減と推計されている。

WWFは近年の異常気象に見舞われているオオカバマダラを準絶滅危惧種に指定し、移住性の強いこの蝶の保護対策を打ち出すよう、米国、メキシコ、カナダの3国に提言した。


(2017年3月16日号掲載)