2021年8月14日
米国勢調査局は8月12日、2020年に実施した10年に一度の国勢調査をめぐる詳細結果を発表し、前回調査に比べて白人 (中南米系のヒスパニック除く) が減り、全人口に占める割合が60%を下回った。AP通信によると、1790年の調査開始以来、白人の減少は初めて。
ヒスパニックやアジア系、複数の人種と認識する人が増えており、米社会の多様化が一層進んだことを浮き彫りにした。
米主要メディアによると、全米の非ヒスパニックの白人は10年前より約500万人、2.6%減少した。
多数派は維持したが、割合は63.7%から57.8%に落ち、過去最低となった。
出生率の低下が影響しているもよう。
今回の調査では都市部の人口増加も顕著となった。
政権奪還を狙う共和党は農村部の白人を支持基盤としており、逆風になる可能性が出ている。
国勢調査によって各州に割り当てられる連邦下院の議席数も決定。
各州で下院の選挙結果を左右する区割りの設定作業が始まり、民主、共和両党の駆け引きが激化する。
米人口は10年前から7.4%増えて3億3,144万9,281人。
史上2番目に低い伸び率だったが、ヒスパニックは23%増えた。
APによると、カリフォルニア州ではヒスパニックが39.4%となり、34.7%の白人を初めて超えた。
一方、2つ以上の人種に属すると認識している人は10年前の900万人から3倍以上の3,380万人に増加し、全米人口の約10%となった。
アイデンティティーの多様化が白人の減少に影響している可能性もありそうだ。
2020年国勢調査の公式データによると、都市別の人口ランキングで、サンディエゴ市は前回調査と同じ8番目、カウンティ別ではサンディエゴ郡が10年前と同じく全米で5番目だった。
サンディエゴ市の人口は2020年4月1日時点で138万6,932人となり、2010年の130万7,402人から6.1%増加した。
全米都市別の人口トップ10は以下の通り (カッコ内は2010年比の増減率)。
① NY 8,804,190 (+7.7%)
② LA 3,898,747 (+2.8%)
③ シカゴ 2,746,388 (+1.9%)
④ ヒューストン 2,304,580 (+9.8%)
⑤ フェニックス 1,608,139 (+11.2%)
⑥ フィラデルフィア 1,603,797 (+5.1%)
⑦ サンアントニオ 1,434,625 (+8.1%)
⑧ SD 1,386,932 (+6.1%)
⑨ ダラス 1,304,379 (+8.9%)
⑩ サンノゼ 1,013,240 (+7.1%)。
全米郡別の人口ランキングでは、サンディエゴ郡は329万8,634人で、2010年の309万5,313人から6.6%増となった。
1位は唯一1千万人を突破したロサンゼルス郡で、イリノイ州クック郡、テキサス州ハリス郡、アリゾナ州マリコパ郡と続き、サンディエゴ郡は5位。
4位のマリコパ郡はサンディエゴ郡より100万人以上多く、6位のオレンジ郡は10万人ほど少なかった。
国勢調査局の発表によると、2010年から2020年にかけて、米国の全郡の半数以上が人口を減少させており、増加のほとんどは、全米人口の86%を占める大都市圏で起きている。
サンディエゴ郡も多様化しており、白人と自認している人口比率は、10年前の64.0%から49.5%に減少した。
(2021年9月1号掲載)