Tuesday, 16 April 2024

65歳以上、高リスク者にブースター優先、FDA承認 SD郡の入院96%、死亡89%が不完全接種者

 2021年9月22日

米食品医薬品局 (FDA) は9月22日、ファイザー製ワクチンの3回目の追加接種 (ブースター接種) について、65歳以上の高齢者重症化リスクの高い人を対象とする緊急使用許可 (EUA) を承認した。

医療従事者、介護ホームレス施設刑務所勤務など感染の危険がある職種に加え、教員食料品店員も含まれるという。

米国では既に、臓器移植をした人など免疫機能が低下した特定の人へのブースター接種は許可されている。

一方で、16歳以上65齢未満の追加接種は承認が見送られた。

FDAの外部有識者委員会は9月17日、ファイザー製ワクチンのブースター接種を、65歳以上の高齢者と重症化リスクの高い人に推奨することを全会一致で合意していた。

バイデン大統領は2回目接種から8か月以降の18歳以上を対象に3回目を9月20日以降に始めると表明していたが、計画変更を余儀なくされた形だ。

バイデン氏は8月にFDAなどに先行して3回目の開始時期を表明し、FDAの審査への政治圧力との懸念や、科学軽視との批判が出ていた。


米小児科学会によると、全米の子供の新規感染確認者数は9月2日までの1週間は25万1,781人と、6月24日までの週から30倍近くに急増している。

ロサンゼルスの教育委員会は9月9日、対面授業に出席する12歳以上の生徒に新型コロナウイルスワクチンの接種を義務づけることを決めた。

デルタ株の拡大を背景に子供にも感染が広がっており、対策を強化する。

対象となるロサンゼルス統一学区は全米第2の規模で、主要学区の中では初めての義務化。

ロサンゼルス郡を含むカリフォルニア州では教職員にワクチン接種か週1回の検査を義務づけている。


サンディエゴの教育委員会は、サンディエゴ統一学区の生徒に対する同様の方針について、9月28日の定例会議で公開討論会を行う

リチャード・バレラ教育長は「(個人的な意見として) 対象となる生徒にはワクチン接種が必要だと思う」と語り、ワクチン接種義務に肯定的な態度を示した。

一方で、ワクチン義務化は自分たちの子供に対する教育委員会からの「虐待」と反発する保護者も多く、公開セッションの成り行きが注目される。


サンディエゴ郡保健福祉課が発表した9月第3週の統計によると、郡内における新型コロナウイルスの累計感染者が約35万人に達し、1日平均の新規感染者数は300人台~700人台で推移している。

累計死亡者は4,000人を超えた。

集中治療室 (ICU) 搬送数は1,800人台、入院者は17,000人台

7月中旬の新規感染者数を振り返ると1,000人以上を記録した日もあり、2か月前と比較するなら感染状況は改善の兆しが見える。

死亡率 (1.3% → 1.1%)、ICU搬送率 (0.6% → 0.5%)、入院率 (5.4% → 5.0%) も低下傾向にあり、ワクチン接種率の上昇に伴う重症化の抑制効果に期待が持てそうだ。

郡当局が今年3月1日から9月11日までのデータをまとめた報告によると、郡内の新型コロナウイルスによる入院者の96%以上死亡者の約89%がワクチンを完全に接種していなかった

当局者は、この事実が未接種者への強力なメッセージになると期待している。


SD郡内のワクチン接種場所と受付時間は coronavirus-sd.com/vaccine へ。


(2021年10月1日号掲載)