2021年12月5日
米国第9巡回区控訴裁判所は12月4日、サンディエゴ統一学区 (SDUSD) の生徒を対象とした新型コロナワクチン接種義務化の差し止め令を解除した。
11月28日に下級審が示した司法判断は1週間足らずで逆転したことになる。
裁判官はSDUSDが妊娠中の生徒への接種猶予を取り下げない限り、差し止め令は続くとしていたが、同学区がその条件を撤回したことで急展開をみた。
SDUSD理事長リチャード・バレラ氏は、声明の中で「私たちには生徒と教職員の安全を確保する重責がある。
控訴裁の判断は、その責任と、致命的な感染症を抑制するワクチンの接種義務化を実施する権限を認めたもの」と評価した。
同学区は9月下旬、16歳以上の生徒の学習やキャンパス内での活動をワクチンの完全接種者に限定することを決定した。
この規定は来年1月24日から適用され、生徒と教職員は今年12月20日までに指定された接種を完了しなければならない。
12月4日現在、16歳以上のSDUSDの生徒は10人に7人が完全接種を済ませているという。
ワクチン義務化は個人の自由を侵害するという批判的な意見も根強くある。
スクリップスランチ高校の3年生は10月、自分の宗教的信条を侵害されたとして同学区を訴えた。
彼女の主張は、キリスト教徒として、中絶後の胎児細胞を使って開発されたワクチンの接種を拒絶するというものだった。
(2021年12月16日号掲載)