米政権、新移民制度の運用開始
ティフアナにまず1人送還
2019年1月31日
トランプ政権は1月29日、難民申請中の不法移民をメキシコで待機させる新たな制度に基づき、ホンジュラス出身の男性 (55) 1人をサンディエゴからティフアナに送還した。
今後はメキシコ側の状況を見つつ、複数の国境検問所で1日約20人の送還を限度に運用を本格化させる方針。
「移民保護手続き」と呼ばれる新制度は24日に突然発表され、米当局は25日に移送を始めるとしていたが、メキシコ側が「一方的だ」と不快感を示し延期されていた。
メキシコは昨年秋に中米諸国から来た数千人の移民集団 (キャラバン) への「人道的な措置」として受け入れを容認する方針だが、同国南部には1万人以上の移民らが北上中で、メキシコ国内で移民に対する反発が高まる恐れがある。
一方、米人権団体も新制度は「適正な法手続きを欠いている」と非難を強めており、訴訟に発展する可能性も指摘されている。
トランプ大統領は昨年11月、キャラバン北上を受け、移民らの米国への不法入国を防ぐため、国境地帯で正式な入国管理施設の手続きを経なければ難民申請の権利を停止する大統領令に署名。
だが、CA州の連邦地裁は効力の一時差し止めを命令。
連邦最高裁も差し止めを支持した。
(2019年2月16日号掲載)