Tuesday, 16 April 2024

ワクチン完成前、世界全体の死者200万人に? SD郡の感染度は第2ティアー、陽性5万人に迫る

2020年10月8日

新型コロナウイルス感染症による世界全体の死者が9月29日、100万人を超えた。ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、感染者数は約3,330万人で死亡率は約3%

依然として被害拡大局面にある

世界保健機関 (WHO) によると、最近はインドや米国、中南米での死者が多く、1日当たり5,000人前後に上る。

WHOはワクチン完成前に200万人に達する可能性を「否定できない」とし、適切な対応を取らなければ死者は倍増すると警鐘を鳴らす。

現在のペースで増えれば半年後にも200万人に達する見込み。


国別死者数最多は米国の21万人超、ブラジルの14万人超、インドの約10万人が続く。

死者数増加の勢いは3月の感染第1波時点よりは抑制されているが、人口の多い北半球で今後冬季を迎え、インフルエンザなどの感染症が流行すれば医療体制の逼迫も懸念される。


WHOで緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は死者数抑制の理由について、治療方法の確立や医療体制の拡充、重症化しにくい若者の感染者増加などを挙げる。

ただ、確実性の高いワクチンは完成しておらず、ウイルス変異の恐れもあることから、注意を呼び掛けている。


米食品医薬品局 (FDA) は10月6日、新型コロナウイルスのワクチンを開発するメーカーに、最終段階の臨床試験に参加した被験者の一定規模を2か月以上、経過観察することを求める緊急使用許可の新指針を公表した。

米メディアはトランプ大統領が訴えてきた11月3日の大統領選前の実用化は事実上困難になったと伝えた。

米国では複数のメーカーが開発するワクチンが最終段階の臨床試験中。

ロイター通信によると、最も進んでいるとみられるファイザーでも、必要なデータを集めてFDAに申請できるのは早くても11月後半になる見通しだ。


CA州が4段階 (ティアー) に分類した新型コロナ感染度の基準によると、SD郡は9月に続いて、一部ビジネスの条件付き屋内営業が許可される「相当レベル」(第2ティアー/赤レベル) に留まっている

SD郡の直近2週間の平均感染率は6.2%

14日間の平均モニタリング指標として、陽性率8%、10万人当たりの感染者7人+なら 「広範囲レベル」 (第1ティアー/紫レベル) へ進み、ビジネスの多くが屋内営業の道を閉ざされる厳しい制限が課せられる。


CA州公衆衛生局 (CDPH) は10月第3週より、特定人種のコロナ陽性率が著しく人口比率を超えた場合、人口の多い各郡には改善努力としての 「エクイティ メジャー」 を義務付ける
 
SD郡の統計 (2020年2月14日~10月6日) では、ヒスパニック/ラテン系の新型コロナ陽性率 (62%) が人口比率 (34.5%) を大幅に上回っている

理由としては、彼らが従事する仕事の特性、米国~メキシコ国境を往復する頻度、大家族の傾向、健康保険未加入者の多さなどが挙げられ、他人種より新型コロナ感染のリスクに晒されているとの解釈がある。

CA州当局は、社会経済的に不利な状況に置かれた地域・人種を教育・救済しなければ、COVID-19感染の脅威は減衰しないとみている。


10月に入り、SD郡の1日感染者数は100人~300人台で推移。合計では5万人に近づいた。死者は1日10人未満 (0~9人) のペースが続いている。

(2020年10月16日号掲載)