Thursday, 18 April 2024

ワクチン接種ペース鈍化、7割目標は困難? SD 郡の新型コロナ入院件数、今年最少レベルに

2021年6月7日

バイデン大統領が新型コロナウイルスのワクチン接種を巡って掲げた「7月4日の独立記念日までに70%」のゴールは困難との見方が広まった。

ワシントン・ポスト紙も6月6日の電子版で接種ペースが鈍化し「目標 (達成) が危うくなっている」と伝えた。
 

バイデン氏は5月上旬の演説で、7月4日までに成人の70%が少なくとも1回ワクチン接種を済ませることなどを目標に掲げた。

米疾病対策センター (CDC) によると、6日時点で18歳以上の63.5%が1回の接種を済ませている。
 

しかし、伸び悩みが鮮明に。

同紙によると、接種ペースは4月の1日当たり平均約340万回をピークに鈍化し、最近は100万回未満に減少。

特に南部と中西部での落ち込みは激しく、オクラホマ州など12州では住民1万人当たりの接種が1日15回を下回っている。
 

このため、州によっては高額のくじを導入するなどして接種を促している。

バイデン氏も、接種拠点となっている多くの薬局が6月には毎週金曜日に24時間態勢で対応すると表明し、6日にはジル大統領夫人がニューヨークの接種会場を訪れて接種の必要性を訴えた。
 

ワシントン・ポスト紙によると、世論調査では米国民の約1/3がワクチン接種を受ける予定はないと回答している。


カリフォルニア州のニューサム知事は5月27日、新型コロナウイルスワクチンの接種率向上を目指し、接種した12歳以上の住民に総額1億1,650万ドル (約128億円) を贈呈する「国内最大」規模のワクチン促進キャンペーンを実施すると発表した。
 

各州は促進策に知恵を絞っており、これまでにオハイオ州やメリーランド州などが「高額ワクチンくじ」を導入した。
 

カリフォルニア州では、6月4日と11日に各5万ドルを受け取る当選者計30人を抽選で決定するほか、同15日には各150万ドルの当選者10人を抽選で選ぶ。


これまでワクチンを1回も接種しておらず、5月27日以降に必要回数の接種を終えた住民には先着200万人を対象に50ドルの商品券を贈呈する。
 

ニューサム氏は、ワクチン接種が進み、感染状況も安定しているとして、条件が整えば6月15日に経済活動の規制を解除する方針を示している。


サンディエゴ郡の学校関係者は、2021-22年度の新学年が秋に始まる頃には、生徒たちがパンデミック以前の学習環境に戻れる環境が整い、正常な状態になることを願っている。

郡内最大のサンディエゴ統一学区は、全生徒をキャンパスに戻し、フルタイムの対面授業を行う予定だという。

授業のスケジュールは通常通りになりそうだが、生徒のマスク着用や、ソーシャルディスタンスを継続する可能性も残されている。

サンディエゴ統一学区教育委員会のリチャード・バレラ会長は、その理由として、カリフォルニア州議会が新学期までにワクチン接種の義務化を可決する可能性は低く、カリフォルニア州公衆衛生局 (CDPH) もガイドラインの指針変更を発表していないことを挙げた。

バレラ氏は「マスクの着用、生徒間の距離の取り方、少人数制など、現在実施されているガイドラインの内容は、秋には修正されるかもしれない」と述べた上で、「学校側としては、どのような形になるにせよ、CDPHの新たな指針に基づいて対応する方向に変わりはない」としている。

サンディエゴ統一学区のほか、パウエー統一学区、チュラビスタ小学校区、スイートウォーター統一高校区も、新学年が開始する秋に向けて全面的な再開を予定している。


サンディエゴ郡保健福祉課は6月5日、Covid-19の新規感染者120人、新規死亡者1人を報告し、入院件数が91件に減少したと伝えた。

これは今年の1日統計での最少記録となった。

コロナウイルス関連の入院患者数が100人を下回ったのは4回目。

また、サンディエゴ郡内で少なくとも1回のワクチン接種を受けた人は200万人を超えた。

6月5日のデータは、前日比で Covid-19 による入院患者が4人減少したことを反映しており、集中治療室の患者も2人減少して31人となった。

サンディエゴ郡内の集中治療室のベッド数は40で、スタッフが常駐している。

5日の統計によると、郡内の累計患者数は280,742人、死者数は3,764人。

6月1日~5日の平均死者数は1.8人まで低下している。

6月5日のPCR検査数は10,625件で1.1%が陽性だった。

直近14日間の平均陽性率は0.7%となっている。


(2021年6月16号掲載)