2021年12月20日
新型コロナウイルスの新変異株、オミクロン株が世界で猛威を振るい、主流化が急速に進んでいる。
最初に報告した南アフリカでは既にデルタ株から置き換わり、欧米諸国でも市中感染が加速している。
ジョンズ・ホプキンズ大の12月14日付集計によると、全米の新型コロナウイルス感染者が5千万人を突破した。
死者は累計80万人を超え、感染者、死者とも世界最多。
現在、感染の主流はデルタ株だが、新変異株オミクロン株の確認もワシントンDCと44州に拡大している。
12日に首都ワシントンで確認された新変異株オミクロン株の感染者4人は、それぞれ別経路で感染したとみられるが、全員がワクチン完全接種済みだった。
米疾病対策センター (CDC) のロシェル・ワレンスキー所長は、オミクロン株について「初期データによると、約2日間で新規感染者数が倍増する」と指摘。
感染全体に占める割合は「米国内では3%程度だが、ニューヨーク州など一部では13%に上っている」とし、急拡大に警戒感を示した。
13日の集計では、米国の直近1週間の感染者は1日当たり平均約11万7,000人、死者は約1,100人。
死者の76%を65歳以上の高齢者が占める。
人口と照らし合わせると、高齢者の100人に1人は新型コロナ感染で死亡したことになる。
依然として流行収束の兆しは見えず、高齢者の感染、重症化が続く懸念が高まっている。
CDCによると、米国内では高齢者の87%がワクチン接種を完了し、52%は追加も済ませた。
一方で、約700万人の高齢者が必要回数の接種を終えていない。
規定回数のワクチン接種を完了したのは全人口の61%にとどまり、特に若年層の接種拡大が課題となっている。
デルタ株やオミクロン株など変異したウイルスに対してもワクチンで重症化や死亡が抑えられると期待されており、バイデン政権はワクチンに疑念を持つ人への情報提供を強化。
自宅で使える検査キットの費用を保険でカバーする施策などを新たに打ち出している。
本格的な冬の到来でデルタ株を含む感染拡大が懸念される中、バイデン政権はワクチン義務化で接種率を上げたい考えだが、保守派を中心に反発は根強い。
米メディアによると、米政権の医療顧問トップ、アンソニー・ファウチ国立アレルギー感染症研究所長は12日のABCテレビで、オミクロン株対策には追加接種「ブースター」が有効だと指摘。
「身を守るためにブースターを打とう」と呼びかけた。
バイデン政権は11月、一定規模以上の企業に従業員の完全接種を原則的に義務付けたが、保守派が優勢な各州で州や企業による提訴が相次ぎ、裁判所が一時差し止めを命じた。
上院では与党民主党の一部議員も賛成して企業の接種義務化への反対決議を可決しており、取り組みは難航している。
カリフォルニア州公衆衛生局は12月15日、感謝祭以降に感染率が上昇したことを理由に、ワクチン接種の有無にかかわらず、屋内の公共スペースに入る際、2歳以上を対象にマスク着用を義務づけると発表した (適用1月15日まで)。
また、州労働安全衛生基準委員会 (OSHSB) は暫定規則の一部を変更し、ウイルス感染者と濃厚接触した場合、ワクチン接種者と非接種者の別なく、職場への立ち入りを禁止するとした (適用1月14日~4月14日)。
改正後の規則では、ワクチン接種済みで無症状、あるいは陰性でも14日間は自宅待機するか、職場復帰の際はマスクを着用し、2週間は6フィート (1.8メートル) の対人距離を守ることを義務付けた。
改正前の規定では、感染しても症状が出ない限り、ワクチン接種者はオフィスで仕事を続けることができた。
サンディエゴ郡保健福祉課は12月15日、郡内で新たに4例のオミクロン変種を確認し、計6例になったと報告。
郡当局の記録によると、先に報告された2人のオミクロン感染者は2度目のワクチンを済ませており、ブースター接種も受けていたが、15日に報告された4人はブースターを受けていなかった。
サンディエゴ郡当局は17日、Covid-19に関連した新規感染者1,032人と死亡者7人を加え、パンデミックが始まってから郡内の累積患者数が397,374人に、死亡者数が4,406人に達したと報告。
17日発表の統計によると、コロナウイルス新規患者数は前日比4人増の371人。
このうち集中治療室に入っている患者は99人。
また、過去1週間の検査で陽性を示したのは全体の4.3%だった。
郡内では依然としてデルタ型の亜種が猛威を振るっている。
15日のデータによると、サンディエゴ郡在住者の272万人+/86.5%がワクチンを少なくとも1回接種している。
そして、サンディエゴ市民の242万人+/76.9%が予防接種を完了しており、601,951回のブースターショットも実施された。
ワクチン接種の予約とロケーション確認は myturn.ca.gov または coronavirus-sd.com/vaccine 。
(2022年1月1日号掲載)