子どもの炎症、世界で続出 川崎病と類似、米国で死亡例も

2021年4月7日

新型コロナウイルスに感染した子どもに全身性の炎症が起きる事例が世界で相次いでいる。

症状が似ている「川崎病」とは異なる病気で、日本でも複数確認され、米国では死亡した例も。

患者数は少ないが、感染回復期に発症する傾向が見られ、欧米では黒人、ヒスパニック (中南米系)、アジア系に比較的多いとの指摘もある。

医療関係者が注意を呼びかけている。
 

小児多系統炎症性症候群 (MIS-C)」と呼ばれ、下痢、発熱、発疹などが見られ、心臓の動きが悪くなる特徴がある。

人種による発症率の違いについて、欧米の医療関係者は家庭の貧困から医療を十分に得られていないことや遺伝的な要因が影響している可能性もあるとしているが、原因は分かっていない。
 

米疾病対策センター (CDC) によると、米国内では昨年5月から今年3月29日までに3,185人が発症し、うち35人の死亡が確認された。

患者の大半は1~14歳で、年齢の中央値は9歳だった。

ヒスパニックや黒人の子どもに多かった。
 

英紙ガーディアンは英国の医療関係者の話として、感染した子ども5,000人に1人の割合で発症しており、感染から約1か月後に症状が出たと報じた。

患者78人を調査した結果、黒人が47%、アジア系が28%で、白人よりも人種的少数派の割合が高かったという。
 

欧米各地で昨年以降、主に乳幼児がかかる川崎病に似た症状が報告されたが、その後の研究で川崎病との相違点が見つかり、MIS-Cだとの見方が主流になった。
 

日本小児科学会と日本川崎病学会は2月、MIS-Cの患者が日本でも複数確認されたと発表した。

ただ、死亡例はなく、いずれも治療によって回復しており「過度な心配は不要」と指摘。

マスクの着用や手洗いの励行など、子どもが取れる感染防止策を徹底し、症状が出た場合は医療機関に相談するよう呼びかけている。


(2021年4月16日号掲載)