米入国にネット履歴審査、ビザ発給基準厳格化へ

米入国にネット履歴審査、ビザ発給基準厳格化へ

入国禁止令への賛成55%、反対42% … 米世論二分

2017年2月2日

米国土安全保障省は1月31日、外国人に査証 (ビザ) を発給する際の審査を強化し、申請者のウェブサイト閲覧や通話、ソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS) の履歴調査を検討していると明らかにした。

外国人の入国をめぐっては、米外交官ら約1,000人が難民・移民を規制する大統領令に反対する意見書に署名するなど反発が拡大。

政権は一部の難民受け入れを表明するなど姿勢を軟化させたが、厳しい移民政策は堅持する構えだ。

トランプ大統領は31日、全9人のうち1人の欠員が出ている連邦最高裁判事に保守派の連邦高裁判事ニール・ゴーサッチ氏 (49) を指名した。

銃規制など米社会を二分する問題で重要な判断を示す最高裁の保守色が強まることになる。

大統領令を違憲とする訴えについても、最高裁の判断の行方が注目される。

審査の厳格化は身辺調査を徹底する狙いから、市民の入国を90日間禁止したイスラム圏7か国など一部の国に将来導入するとみられる。

禁止措置を受けて航空機への搭乗を拒否されたのは7か国で計721人に上った (2月1日現在)。

ニューヨークなど2州は同日、ワシントン州に続き違憲訴訟を起こしたと表明。

ミシガン州などの人権団体も相次ぎ提訴した。

カリフォルニア州サンフランシスコは不法移民に公共サービスを与える寛容な「聖域都市」への補助金を停止するとした措置をめぐり提訴した。

米調査会社ギャラップは2月2日、大統領令の賛成者が55%と、反対者の42%を上回ったとする世論調査結果を伝えた。

反発が広がる一方で、世論は大きく二分している。

大統領令は全ての国から難民の受け入れを凍結するとしたが、国土安全保障省は872人の難民を2月の第1週に受け入れると発表。

米国内外の非難に配慮した可能性がある。

ケリー国土安全保障長官やスパイサー大統領報道官は31日「難民やビザの審査制度を見直すための一時的な対応だ」と釈明した。


(2017年2月16日号掲載)