2020年9月4日
大統領選が約50日後に迫った。
勝敗を左右する激戦州の支持率で、民主党候補バイデン前副大統領 (77) が共和党候補トランプ大統領 (74) を数ポイント先行する状況が続く。
人種差別に抗議するデモの一部暴徒化を受け、「法と秩序」を前面に掲げるトランプ氏がじわりと差を詰めているとの世論調査もあり、情勢は予断を許さない。
激戦州は6州で、ミシガンなどラストベルト (錆びた工業地帯) の3州やフロリダ州など。
いずれも前回はトランプ氏が勝利した。
政治サイトのリアル・クリア・ポリティクスが発表した9月2日集計の平均支持率では、ほぼ同率のノースカロライナ州以外の5州でバイデン氏がリードを維持する。
トランプ氏の支持率下落は新型コロナウイルス対応の失敗が主因。
保守の牙城、テキサス州で追い上げられ、近年は共和党優位のオハイオ州などでも競る状況に置かれた。
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ただ、8月末~9月初めに激戦州での差が縮小傾向にあるとの世論調査結果も出た。
トランプ氏は抗議デモの暴徒化を執拗に取り上げ、人種差別問題の論点をずらす戦略を徹底。
9月1日には激戦州のウィスコンシン州で、警官による黒人男性銃撃事件のデモが一部暴徒化した現場を訪れ、警察支援の姿勢を鮮明にした。
バイデン氏はトランプ氏の敵失に頼るオンライン選挙戦から切り替えを迫られている。
9月3日にはウィスコンシン州を訪れ、社会の分断を煽 (あお) るトランプ氏の手法からの決別を訴えた。
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(2020年9月16号掲載)