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hamasaki_fece.jpg 浜崎美耶子

シャープ・ヘルスケア国際部スタッフ

シャープ・ヘルスケア国際部日本人コミュニティー・スペシャリスト。
上智大学英文科卒。ニューヨーク州イサカ・カレッジ大学院にて言語病理学で修士修得。その後も メリーランド大学、SDSUでオーディオロジー(聴能学)を勉強。
1990年以来7年間に渡って、日本からの医師、看護婦、その他のヘルスケアワーカーを対象にしたシャープ国際部主催の研修会の通訳、講師を務めた。


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前立腺癌にかかる危険要因 Risk Factors for Prostate Cancer
食生活の欧米化につれ、日本人にも増えている
初期には症状がないのでスクリーニングを受ける事が大切
危険要因とは何か?

危険要因とは、ある病気にかかるチャンスが増加する要因を指します。それは、喫煙の様な行動だとか、食事、遺伝的な体質、その他の多くのものを意味します。
危険要因は、個人がその病気にかかる率を高めますが、危険要因があるからといって必ずしもその病気にかかる訳ではありません。ある人は、単一、或いは複数 の危険要因を持っていても、癌にはかからないですんでいます。それに反して、これと言う危険要因もないのに、癌にかかる人もいます。
どんな病気にしても、危険要因を知る事は、その病気にかからない様に、禁煙するとか、食生活を変える等の適切な予防行為を取るガイダンスに役立ちます。


前立腺癌の症状

前立腺癌の初期にはほとんど症状はないので、定期的にスクリーニングを受けるのが大切。なお、次の様な症状は良性の前立腺肥大症とよく似ているので注意。
尿の出が悪い、或いは途切れる

  • 頻尿  (特に夜間)
  • 尿が出にくい、或いは尿を阻止するのが困難
  • 排尿出来ない
  • 排尿中、痛みや焼ける様な感じがする
  • 尿、或いは精液中に血が混じる
  • 腰や、ヒップ、又は骨盤にしつこい痛みがある
  • ペニスが勃起しにくい


前立腺癌にかかる危険要因

一般的に言って、男性であれば誰でも前立腺癌にかかる可能性はあります。でも、前立腺癌にかかる率を高める、特別な危険要因には次の様なものがあります。


1.  年齢:特に50才を越えた男性に、前立腺癌にかかる人が多いのです。前立腺癌の診断を受けた男性の70%が65才以上です。

2.  人種:白人に較べると、黒人男性の前立腺癌にかかる率は60%も高いと言われます。日本や中国に住む男性の前立腺癌にかかる率は、世界で最低ですが、これらの国からアメリカに移住して来ると、前立腺癌にかかる率が急に高くなるのは興味深い事です。又、最近では、日本や中国でも、KFCやマクドナルド等の進出を始め、食事、その他のライフスタイルの欧米化に伴い、前立腺癌の発生率が高くなってきています。

3. 食事:専門家のデータによると、欧米の工業化した国々で取られる食生活が、前立腺癌発生の第一番の原因となっていると言う事です。私達の口に入れる物が、前立腺癌の発生、進展に、どのように影響を及ぼすかについて、次の羅列した事柄をよく考察してみて下さい。

  • 脂肪:高脂肪ダイエットをする男性は前立腺癌にかかる率が高いと、様々なリサーチは報告しています。
  • 繊維:野菜や果物、全粒穀類にみられる様な繊維は、男性ホルモンであるテストステロンと、卵胞ホルモンのエストラジオールの循環に影響を及ぼすので、高繊維ダイエットをする人は、例え、すでに癌が発生していても、その進行を遅らせます。
  • 大 豆タンパク質:アジアの国々での食生活と、アメリカの食生活の違いは、低脂肪ダイエットであるだけでなく、大豆からのタンパク質の摂取量が多い事です。アジアの国々では、1日に摂る、1人あたりの大豆タンパク質の摂取量は、35gにも達します。大豆は、イソフラボンを含有しており、それは前立腺癌細胞の発展を妨げる作用があると、幾つかのリサーチは報告しています。
  • ビタミンE とセレン:ミネラルの一種であるセレンと、抗酸化剤であるビタミンEのコンビネーションは、動物を使った実験では、癌細胞の増加を妨げる事が発見されています。
  • カロチノイド:ビタミンA の一種であるカロチノイドは、リコピンを含んでいます。リコピンは、人間の前立腺癌細胞の増殖を防止する事が、実験の結果分かっています。このリコピンを摂取するのに一番よいのは、トマトや、トマトジュース、トマト・ペーストを食べる事です。
  • ハー ブや漢方薬:前立腺癌の予防に有効であるとクレームする、色々なハーブは、静脈血栓や、胸部の乳のところに触痛が起きたり、性欲減退等の様な副作用が出る場合もあるので、気をつける必要があります。というのは、アメリカでは、 日本の厚生省に当たるFDAは、ハーブや漢方薬が前立腺癌にどの様に影響を与えるかについては、研究はほとんどしていないからです。


4. 太り過ぎ:肥満は、高血圧や糖尿病につながるだけではなく、ホルモンに関連する、前立腺癌や乳癌、卵巣癌等の様な癌の原因となると言われています。

5.  環境汚染:農薬等と接する機会の多い農夫や、バッテリを作る人や熔接工等で、カドミウム等のメタルと接触する人は、前立腺癌になりやすいと言うリサーチもありますが、これはもう少し確認する必要があるという事です。

6.  精管切除をした人、良性前立腺肥大症、性病にかかった事のある人は前立腺癌にかかる可能性が増加すると言うリサーチも出ています。でも、それとは関連がないというリサーチも出ています。

7.  家族歴:父親、又は兄弟に前立腺癌の人がいる場合には、その人の前立腺癌にかかる率が2倍から3倍になります。又、親戚に前立腺癌の人が数人ある場合、特にそれも若い時に診断された場合には危険性は更に高くなります。遺伝学者は、家族の中で前立腺癌にかかった人の数に従って、次の3つに分類しています。

  • 突発性:55才を過ぎてから前立腺癌の診断が下り、家族中、前立腺癌にかかっているのはこの人だけ。
  • 家族性:同家族に前立腺癌にかかっている人が1人以上いるけれど、遺伝であると言う決定的なパターンもないし、癌の発生が高年になってからである。
  • 遺伝性:核家族中(親子)に3人以上が前立腺癌にかかっている場合、又は母親側、或いは父親側に三代続いて前立腺癌が出ている場合、或いは、親戚に55才未満で2人以上の前立腺癌が出た場合。5%から10%の前立腺癌は遺伝性であると考えられています。

    8.  遺伝的要因:人間の身体中の各細胞の中央に、染色体と呼ばれる遺伝的材質が存在します。普通、細胞は46、又は23対の染色体をもっています。その内の半 分は父親から、後の半分は母親から受け継ぎます。染色体は私達の身体のブループリントである遺伝子を持っています。目や耳の形や、血液型を決めたり、細 胞がどの程度速く形成されるか等の大切な形成過程を決定するのはこの遺伝子です。ある遺伝子は、変形したり、或いは突然異変を起こすと、細胞が無制限に成長し、その結果、癌細胞に進行していく可能性が非常に高くなります。これらの遺伝子は、様々な名前で呼ばれていますが、要するに「癌になりやすい遺伝子」 です。前立腺癌患者の5%から10%、それから55才以前に前立腺癌の診断を受けた人の45%が、癌になりやすい遺伝子を親から子に受け継いだために癌になった、と考えられています。

    (シャープ・ヘルスケアの健康ホームページから)

    (2007年2月16日号掲載)