これからの小論文の話をしよう(2) (2014.4.16)

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櫻井 真理

育英セミナー・サンディエゴ校室長

日本の某高校にて国語教諭として勤務。その後、育英セミナーの教育活動に賛同して転職。
現在はサンディエゴ校室長として海外子女教育に力を注ぐ。

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 これからの小論文の話をしよう(2)

 

Q「これからの小論文」で求められることは何ですか?

 

 

 

 

 

 

A これまでの日本の文章教育は、自分の感じたままを書く感想文や思い出作文に偏っていましたが、これからの小論文の学習では、必ずしも身近ではない哲学・倫理や社会科学的な概念を吸収し思索することと、目の前にいない第三者を説得できる論理力を身に付けることが、2本の柱になっていきます。

 

 

 

 

 

アップルの創始者スティーブ・ジョブズの言葉を借りれば、“Think Different”(今までの考え方でいいのか?) と問える力です。

 

 

 

時事ニュースを詰め込むのではなく、そのニュースの報道のされ方を問うメディアリテラシーも必要ですし、「地球の裏側の出来事と自分のつながりを考える」 ための抽象化具体化の知的作業も必要です。

 

 

 

また、観察・比較・分類・要約・説得型などの作文技法を学び、目の前にいない第三者にも伝わる適切な 「書き言葉」 で表現する力がないと、説得力も増しません。

 

 

 

 

 

このようなトレーニングは相乗効果を生み、SATエッセイなど、他教科の学習にも役立ち、入試後のプレゼン、就活でのES、入社後の企画立案・交渉などの土台にもなります。

 

 

 

つまり、「これからの小論文」は、今を生きるための「教養」を培っているのかを問うているとも言えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q 小論文の力を付けるために、読書をすることが大切だと聞きますが、なぜですか?

 

 

 

 

 

 

A それは、読書を通して、他者の経験から学ぶことが必要だからです。

 

 

 

確かに、自分の経験値を高めることも大切ですが、自分の狭い経験だけにとらわれていては、学びの幅は広がりません。

 

 

 

海外にいても自分だけの経験は狭いものです。

 

 

 

 

読書は「孤独な時間」 に見えますが、実はコミュニケーションの時間でもあります。

 

 

 

自分が本の中に入り込んで、その世界観に染まっていく体験、それは「他人になる」体験と言ってもいいでしょう。

 

 

 

本はさまざまな考え方や発想の宝庫ですから、読書をすることは他者の経験を通して視野を広げていくきっかけになります。

 

 

 

 

 

クリスチャンの間で交わされる合言葉の一つに「WWJD」 というものがあります。

 

 

 

彼らは「What Would Jesus Do?」、つまり「こんな時、イエスならどうするだろう?」 と問うことで深く聖書を理解します。

 

 

 

これと同じように、ただ黙々と読むのではなく、他者になりきり、他者の価値観を共有し、視野を広げることが大切です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q 本を読むことは大切だとは思うのですが、読書があまり好きではありません。

 

 

 

 

 

 

A 紙の本を読むことだけが読書ではありません。

 

 

 

例えば、ウェブ上には有名無名の方々による優れたブログやメルマガがあります。

 

 

 

それらを毎日読み続けることも読書です。

 

 

 

TEDやハーバードがYou Tubeを通じて提供する講義を視聴しメモを取ることも、映画評論やレビューを読むのも読書です。

 

 

 

マンガでも読書になり得ます。他者の経験から学ぶ媒体は多様化しているのです。

 

 

 

 

「読書は人を豊かにし、議論は人を機敏にし、書くことは人を確かにする」 と、イギリスの哲学者フランシス・ベーコンは言いました。

 

 

 

いろいろな媒体を通じて発信者にもなれるグローバル化・IT化時代だからこそ、発信型の作文教育が必要です。

 

 

 

It's never too late. 遅すぎるということはありません。

 

 

 

日本語作文・小論文の練習を、少しずつでも始めてみませんか?

 

 

 

 

 

X X X X X

 

 

 

 

 

 

*育英セミナー各校では、高校小論文、小中作文クラスを開講しています。

 

 

 

無料体験授業も参加できます。

 

 

 

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(2014年4月16日号掲載)

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