再申請について (2015.1.16)

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ishinabe_face.gif石鍋 賢子

米国カリフォルニア州弁護士

上智大学外国語学部英語学科出身。ビジネス系の移民法専門弁護士として20 年の経験を持つ。グレイ・ケリー・ウェア&フリーデンリッチ、ララビー&アソシエーツ等法律事務所勤務を経て、独立し、事務所設立。

米国弁護士会(ABA)、サンディエゴ弁護士会(SDCBA), 米国移民法弁護士会(AILA) 会員。サンディエゴ在住19 年。

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再申請について

       
 

Q 市民権の手続きをしていましたが、“本番” が苦手な性格で、今回も面接で緊張しすぎてうまく回答できず、不合格になってしまいました。

再度申請をすることはできるでしょうか。

 

A 虚偽の申し立てなどの理由で却下された場合を除き、政府に関する口頭質問の部分での誤回答が理由であれば、再度申請することは問題ありませんし、再申請に時間を置く必要もありません。

手数料は同額が再度必要になりますし、二度目ということによる免除事項や優遇はありませんが、面接に一度失敗したことは全くハンデになりません。

極端な話、受かるまで何度でも受け直すことは可能です。

市民権面接というと緊張なさる方もいますが、「英語のテスト」にあたるものは、中学生英語程度のごく簡単な短い一文を書き取るだけです。

また、政府に関する質問については、移民局サイトに練習問題や出題範囲とされる過去問などの情報があります。

議会や政治の仕組みなどについての質問に関しては、答えを暗記してしまえばよいので、あらかじめ内容に目を通しておけば、とくに準備クラスを受講するほどのものでもありません。

 

 

Q 他の手続きに関しても、再申請は可能でしょうか。

 

A 状況にもよりますが、就労ビザあるいは企業スポンサーによる永住権申請のための移民局請願では、出願の条件を満たしていると思われるにもかかわらず、何らかの状況が審査の際に否定的に考慮され、承認を得られなかったという場合、出願内容を多少変えて再度申請するということは、よく行われます。

以前申請が行われたこと、却下されたことはデータとして移民局の記録に残っていますが、却下されたこと自体が直接不利になるということはありません。

控訴や再考慮を求めるという手続きもありますが、法的な解釈の違いではなく、明らかに当局の初歩的な手違いによる却下でない限り、必ずしも一度出た審査結果が覆される保証はなく、再審査の時間もかかってしまいますので、いっそのこと仕切り直しをした方が、別の審査官により新たに審査されますので、効率が良いし、結果が期待できます。

 

 

Q 日本から社員を赴任させたいのですが、ビザ手続きが難航するという噂を聞きますが。

 

A マキラドーラ形態の米国法人へのご赴任の場合、日々の業務が子会社であるメキシコ法人中心になっていることが多く、「米国法人の組織が小さすぎるため、職務がマネージャーのレベルに当たるとは思われない」 などの理由で却下されることがあります。

確かに、アメリカのビザである以上、ビジネスの実体がアメリカにあり、アメリカで職務を行うという申請目的が立証されなければなりません。

一方、日系企業間でのトランスファーで、LビザとEビザの双方の条件が満たされていれば、L-1請願で移民局からの承認が得られない場合、Eビザを直接大使館に申し込むということも可能です。

この場合、L-1請願の却下は 「過去のビザ発給申請却下の有無」というEビザ申請用紙の質問事項では「ない」に当たります。

また、その逆、つまりEビザ却下後にL-1請願というシナリオもあります。

Eビザと違って、大使館はLビザの発給条件の審査は行いません (それが移民局での請願審査にあたる) ので、一度Eビザが却下されていても、虚偽の疑いなどの特別な事情がない限り、移民局がL-1請願を承認すれば、Lビザスタンプの発給を大使館が拒否することはありません。

移民局へのL-1請願、大使館へのEビザ申請のどちらを先に行うかは、個々の状況により判断されます。

 

この記事は、参考として一般的な概要をお伝えすることを目的としたものであり、個々のケースに対する法律のアドバイスではありません。

  (2015年1月16日号掲載)

     

 

 

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