骨粗鬆症テスト(2014.6.1)

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son_new8.jpg曽 碧光

米国中医薬研究所所長

1932年台湾に生まれる。
東京大学農芸化学修士、米国カンサス大学微生物学修士、東京大学薬学博士、 元米国コネチカット大学病理学助教授、
第1 回世界中西医結合大会審査委員、セント・エリザベス病院 (ボストン) 筋ジストロフィー主任研究員、ドライ・アイ眼科研究所生化学顧問、元米国漢方研究所所長、現米国中医薬研究所所長。


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骨粗鬆症テスト
       

Q : 62歳の女性です。毎年医師から骨粗鬆症テスト(骨量密度テスト)の通知ハガキが来ますが、骨粗鬆症テストは毎年するべきものでしょうか。

骨粗鬆症テストのガイドラインがありましたら、お教えください。

また、骨粗鬆症予防の漢方がありましたら、お教えください。

 

 
A : 米国国家健康保険であるMedicareは2年に1度テストした場合、保険が支払われることになっていますので、2年に1度のテストが一般的だと考えられます。

しかし、2012年1月19日発行のニューイングランド医学雑誌 (New England Journal of Medicine) に発表されました報告によりますと、第1回の骨粗鬆症テストに異常がなければ、以後15年間はテストしなくてもいいという結果が出ています。

やや骨粗鬆症の危険性のある女性は5年に1度骨粗鬆症のテストをするべきだと勧めています。85歳以上の女性で骨粗鬆症の傾向が強い人は3年に1度テストするよう勧めています。

このように、最近の骨粗鬆症の研究結果は、今まで行われている骨粗鬆症テストは回数が多すぎると指摘しています。


 骨粗鬆症予防薬として、フォサマックス(Fosamax)、レクラスト(Reclast)、ボニバ(Boniva)、アクトネル(Actonel)が処方薬として出回っていますが、これらの骨粗鬆症予防薬に食道がんを起こす副作用があることが報告されており (New England Journal of Medicine 2009年1月1日号)、これらの処方薬を服用する人が少なくなりました。


 女性は更年期に入るとエストロゲンの分泌が低下し、エストロゲンのレベルが急速に減少することによって、骨からカルシウムの減失が始まります。

このため、更年期または閉経後の女性にエストロゲンの服用が勧められましたが、エストロゲンに乳がん、脳卒中、ハート・アタックと凝血の副作用があることが分かり、ほとんどの医者が患者にエストロゲンを処方しなくなりました。


 漢方医学では骨粗鬆症は腎臓機能が衰えた時に起こると考えられているので、骨粗鬆症予防には補腎効果のある漢方が広く使われています。

漢方医学で言う腎は腎臓機能を指すだけではなく、生殖機能やホルモン分泌と副腎の働きなども指しています。

中国の病院で最もよく使われている19種類の漢方を解析検討した結果、「補腎健骨湯」 に最も優れた骨粗鬆症予防効果があったと報告されています。


 今、出回っている健骨丸は補腎効果のある生薬に加えて、骨からカルシウムの減失を防ぐエストロゲン効果のある生薬を調合し、骨粗鬆症の予防効果を強化しています。

幸い、漢方に含まれている植物エストロゲンに乳がんなどを起こす副作用がないので、健骨丸は安心して服用できる漢方です。










 
(2014年6月1日号掲載)      

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