2020年 09月 19日

Kampo 漢方Q & A

レスペラトロールに長寿遺伝子の活性化効果はない(2015.4.1)

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son_new8.jpg   曽 碧光

    米国中医薬研究所所長

    1932年台湾に生まれる。
    東京大学農芸化学修士、米国カンサス大学微生物学修士、東京大学薬学博士、 元米国コネチカット大学病理学助教授、
   
第1 回世界中西医結合大会審査委員、セント・エリザベス病院 (ボストン) 筋ジストロフィー主任研究員、
    ドライ・アイ眼科研究所生化学顧問、元米国漢方研究所所長、現米国中医薬研究所所長。


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レスペラトロールに長寿遺伝子の活性化効果はない
       

Q : 2011年6月12日にNHKスペシャル番組 「あなたの寿命は延ばせる、発見! 長寿遺伝子」 で赤ワインに含まれているレスペラトロールというサプリが大変話題になりましたが、その後ぷっつりと消息が絶えたのはどうしてでしょうか。

これに比べて3,000余年も使われてきた不老長寿の漢方薬霊芝と人参の科学的研究はいかがでしょうか。

 

 
A : 2003年にハーバード大学医学部のデビッド・シンクレア博士が酵母菌の実験で、レスペラトロールが長寿遺伝子を活性化すると英科学誌ネイチャーに発表したのをきっかけにサートリス・ファーマ会社が創設され、レスペラトロールがサプリとして販売されました。

しかし、10年5月にレスペラトロールを使用した抗癌剤の臨床試験で薬効が認められないばかりか、重篤な腎障害等の副作用が見られたので、抗癌剤の開発中止が発表されています。

また、製薬分野でのライバル会社、アムジェン社とファイザー社が09と10年に相次いでネイチャー誌に発表されたシンクレア論文の実験結果は間違いであると結論づけたので、サートリス・ファーマ社は10年の11月20日にレスペラトロールのすべての医薬品開発とサプリ販売の中止を発表しました。

従って、11年6月にNHKスペシャル番組が放送された時点では、すでにレスペラトロールが長寿遺伝子を活性化する効果はないと完全に否定されていたのに、なぜこの虚像の番組を作ったのか不可解です。


 霊芝、人参が不老長寿の霊薬と言われるまでには数千年の歳月と数億人の人間の試験を経ています。

それが漢方薬の強みです。霊芝、人参に加齢とともに下降する免疫力を正常に維持する免疫増強効果がなければ、不老長寿の霊薬になりません。霊芝、人参ともに免疫増強多糖類があることが確認されています(Immune System and Chinese Herbs, 1989)。

霊芝は免疫多糖類を含有しているほかに、多方面の薬効を持っていることも老化防止と健康維持に大変役立っています。

霊芝の免疫多糖類に抗癌作用があることが立証され、コレステロール降下作用、抗凝血、血糖降下、血圧降下、抗アレルギー等の効果が次々と証明され、霊芝の多方面にわたる薬効が立証されました。

人参も近年の研究で、その薬効多様性が解明されています(薬用人参、共立1989)。

人参に抗酸化物質が確認され、抗ストレス作用とホルモン系統を活性化する働きも明らかになりました。人参に環境適応因子があることも提唱され、骨髄の造血機能増強効果も立証されています。

このように霊芝、人参を主要構成成分としている霊芝人参黄耆湯は老化防止と長寿促進の漢方薬と言えます。


 













 
(2015年4月1日号掲載)      

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