Monday, 29 April 2024

アーロン・シスキンド/20世紀中葉のモダン

 異端的存在のモノクロ抽象写真家 意味なきオブジェをクローズアップ

 

Aaron Siskind: Mid Century Modern
2021/10/2 (土) 〜 2022/2/13 (日)
Museum of Photographic Arts
https://mopa.org/exhibitions/aaron-siskind-mid-century-modern/

 

米人写真家アーロン・シスキンド (1903-91) は当初、黒人街、労働者、貧困層をテーマにしたドキュメンタリーフォトに傾倒し、米政府から共産主義的団体として監視された「フォトリーグ」にも所属していた。

本展では、シスキンドが20世紀半ば (1940年代後半〜50年代) に有力画家たちと交流しながら撮影した写真作品に焦点を当てている。

彼は40代から極端な抽象表現主義に転向し、古びたポスター、汚れた壁、落書きの断片など、無意味な被写体ばかりをモノクロで接写するようになる。

シスキンドの抽象化への飽くなき探究心が嵩 (こう) じた時期は、まさしく戦後写真界の新しい潮流と枠組みが確立された時代だった。

シスキンドが伝えようとした世界は、クローズアップすることで浮き上がる、平面上に息づく物質の繊細な質感に他ならない。


入場料:無料。*ドネーションを奨励。随意の金額を寄付することで入館できる。


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◼︎「Aaron Siskind: Mid Century Modern」展の企画立案は MOPA キュレーター代表/スミソニアン写真学術協会・元写真部門シニアキュレーター Merry Foresta が担当。