Monday, 29 April 2024

ジュリア・マーガレット・キャメロン展

 19世紀の革新的フォトグラファー ソフトフォーカスの名手が拓く審美眼

 

Arresting Beauty Julia Margaret Cameron
2023/4/29 (土) 〜 9/3 (日)
Museum of Photographic Art
http://bit.ly/3IzUaki


クローズアップのパイオニアであり、ピントを外すことで美しさを表現する手法を開拓した先駆者の一人、写真家のジュリア・マーガレット・キャメロンのアメリカ初となる展示会。

1800年代、記録のための装置という位置付けだった写真を、独自の手法を駆使して芸術に高めようとしたのは、48歳で初めてカメラを手にした英国人女性だった。

ジュリア・マーガレット・キャメロンは1815年生まれ。父は東インド会社の上級職員、母はフランス貴族の娘で、23歳で結婚。前半生は6人の子どもを育てながら主婦として過ごした。

キャメロンの人生を変えたは、1863年、彼女が48歳の時に娘夫婦から贈られた1台のカメラ。

まだ新しいメディアだった写真の魅力に取り付かれたキャメロンは精力的に撮影を続け、わずか1年半後にはサウス・ケンジントン博物館(現ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)に作品が買い上げられるほどになった。

1865年に2台目のカメラを入手。大きなガラスネガも扱えるこのカメラによって、彼女の写真も飛躍的に進歩。

当時の肖像写真はモデルの容貌を克明に写し取るスタイルが主流だったが、キャメロンはモデルが動いて多少ボケても気にせず、頭部をクローズアップした独特の写真を制作。

ソフトフォーカスを多用し、傷をつけたネガを用い、果ては複数のネガから1枚の写真を作ったりと、彼女の革新的で型破りな手法は当時批判されたが、現在では高く評価されている。

スタートが遅いこともあり写真家としての活動期間は20年足らずだったが、写真を記録から芸術に高める大きな役割を果たしたキャメロンは、1879年、インド・セイロン島で63歳の生涯を閉じた。

ベルン・シュワルツ・ファミリー財団とガードナー・バイリンガル基金からの資金援助、そしてサンディエゴ市とサンディエゴ郡からの追加資金援助により実現した。

◼︎ 入場料:無料。*ドネーションを奨励。随意の金額を寄付することで入館できる。