胸さわぎ

胸さわぎが人の死を予告したり、災厄から身を守ったという話はよく耳にする。実際に、私自身や親族も似たような体験をしている。▽日本にいる母が三日三晩、繰り返し電話をかけてきた。意味のない不安に襲われ、不幸が起こるのではと心細くなってしまい、異国に暮らす私たち夫婦の身を案じて連絡してきたのだ。「病気になっていない?」「困っていない?」と、早口で尋ねる母。笑いながら「心配ないよ」と応える私。翌日「本当に大丈夫なの?」と再び母。次の日も「やっぱり何か変だよ」と言ってくる。そして、4日目に妹が急死した。▽帰米する当日、脳出血で車イス生活を続けていた父が「今度会うときは葬式だな」とポツリと呟いて笑った。「何言ってんだよ」と私も笑いながら返したが、その穏やかな佇まいに一瞬ギョッとして胸さわぎを覚えた。攻撃的で相手を威圧する鋭さが消え失せた、初めて見る父の姿。それが最後に見た父の姿となった。▽中国・三国時代の軍師、諸葛孔明が用いた占術「奇門遁甲」の原理を専門家から教わった。生来、人間に備わる「虫の知らせ」と言うべき鋭敏な直感力をベースにした開運術という。センサーの感度は文明の発達とともに低下しているが、極度の “危機的状況” に直面すると潜在能力が発動するらしい。 (SS)
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▽予習をしていない時に限って当てられる。心臓がバクバクして胸騒ぎ。「お前の顔にも、大きな黒子ついているぞ」と国語の先生。クラス全員が大爆笑。クロコがホクロだと知った瞬間だ。それ以降、前もって、教科書に目を通すようになった。▽胸騒ぎで思い出すのは、郷ひろみの「2億4千万の瞳」。♪ 出会いは億千万の胸騒ぎ〜。当時の日本の総人口が約1億2千万人で、瞳の数が2億4千万ということらしい。全ての日本国民が胸騒ぎということだ。確かに、エキゾチック ジャパン ♪ だ。▽アメリカの神経学者の研究によると、人間には潜在的に sixth sense (第六感) が備わっているという。胸騒ぎや虫の知らせなど、非常事態に陥ると、その引き出しにアクセスできる人がいるとのこと。▽目的地に向かって迷わず空を飛ぶ渡り鳥や、地震の直前に騒ぎ立てる動物たちは、地磁気の異常や電磁波を体の特殊な受容体で感知するとか。この磁気感覚は、人間の網膜にもある特殊なタンパク質の働きを利用して得られるそうだ。▽残念ながら、自分は第六感に無縁の人間だ。祖父、祖母、そして、母、父が亡くなる時も、まったく胸騒ぎを覚えなかった。でも、引き出しの奥にしまわれているのだとしたら、ドバっと出てくる可能性はあるわけで、いつか、そんなセンサーを獲得できたらと思っている。(NS)
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sheau-ching-san.gif 我が家の1匹目のニャンちゃん Socks (ソックス) が死んで3か月後に、Zoe (ゾイ) がうちの敷地に姿を現わした。100%ノラで子猫のZoeはとても可愛かった。でも、人に慣れていなかったので、近づこうとするとすぐ逃げてしまう。ある夜、旦那が向かい側から道を渡ろうとした Zoe を心配そうに見ていた。まるで、我が家めがけて駆けてきたようだった。そして、1台の車が猛スピードで走ってきて、 “ポン” というと音と “ミギャー” というスゴい声が聞こえた。それを目撃した旦那は胸騒ぎを感じていた。私に「Oh my God !! Zoeは車に引かれた!」と。すぐ Zoe を探したが、どこにもいなかった。。。「絶対、どこかで苦しんでいて、死にそうになっているよ!」と旦那が私に叫んだ。あの晩、二人は泣き続けた。。。その後、数日間、Zoe の姿はなく、「やはり」と私も思った。でも、5日目に奇跡のように、Zoe が元気な姿でドアの前に現れた! 本当に嬉しかった! Zoe はあれから私たちの家族の一員になり、11年も一緒に過ごした。そして昨年、Zoe が天国へ (!_!)。今は猫を飼っていない。 またいつか Zoe と Socks のような sweet 猫に出会えたらと。。。  (S.C.C.N.)
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yoko 小学5年生のときに初めて猫を飼った。その子はペットショップで売れ残っていた。もう仔猫と言えないほど育ちすぎていたその子は、ゴージャスな長毛種のペルシャ猫であるにもかかわらず、純白の毛は薄汚れて黄ばんで、毛玉の塊だらけ、オッドアイの顔も何だかふて腐れて可愛くなかった。店員さんに破格の値段を言われ、母が財布のひもを緩めた。初めての猫! 私も妹も大興奮だった。だが、母は大変そうだった。体のあちこちに出来た毛玉を櫛で梳 (と) かそうと頑張ったが、歯が立たず、結局トリマーに連れて行った。トリマーでもどうにも出来なかったようで、毛玉の箇所をトリムされ、あちこちハゲになって帰ってきた。ブーたれた顔にハゲだらけの体。ますます可愛くないが、私 (と家族) の猫! やっぱり可愛かった。名前は私がつけた。ペルシャ猫の「ペル」。ペルはあまり丈夫でなく、すぐお腹を下すし、愛想もない子。でも、とても可愛がっていた。ある日、ペルの姿が見当らない。探しても探しても見つからない。胸騒ぎを覚えて、2階の窓から家のすぐ側の線路の辺りを見ると、線路に白いものが・・。1年も一緒にいられなかった。 (YA)
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reiko-san 先日、友人の犬を数日間預かった。猫が2匹いるので、どうなることか不安もあったが、引き受けた。諸々の事情を考慮し、猫たちは寝室に隔離。夕方、犬を連れて友人が来訪。犬のベッド、餌と水を入れるボール、ドッグフード、お気に入りのおもちゃ数個、首輪とリーシュも一緒。ベッドをリビングに、餌と水のボールはキッチンの床に置く。犬は何だかソワソワと落ち着かない様子で、オーナーにまとわりついている。この時点で、何かが変だと感づいていたのかもしれない。犬も胸さわぎを覚えるのなら、きっとこの子もこの時、胸さわぎ全開だったと思う。夕食を一緒に食べ、しばらく一緒におしゃべりをし、夜半に友人は帰ることに。犬は、置いて行かれないよう、オーナーの後にしっかりとついていく。これから起こることを知っている私たち人間は、同情の眼差しで犬を見る。犬にハグし、家を出る友人。閉められた扉の前で呆然とする犬。胸さわぎ的中。かわいそうな犬は、それからしばらく、クーンクーンと寂しそうに鳴きながら、扉に顔をくっつけて座っていた。でも、その後は諦めたらしく、私たちを仮のオーナーとして慕ってくれ、散歩にも一緒に行き、一緒に寝て、私たち家族は犬とのつかの間の生活を楽しんだ。 (RN)
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suzuko-san  遠~い昔の1月の末。東京は中野の下宿先で、その日は珍しく深夜まで試験勉強をしていた。すると下宿先に電話。午前2時ごろである。「今頃、電話? 誰?」と思いながら、何か胸騒ぎがした。下宿先の家族は皆寝入っているのにもかかわらず、おばさんが電話を取り 「ベルさん、あなたによ」。慌てて2階から駆け下りて、電話口に出ると、「お母さんが具合が悪いから、朝一番の新幹線で帰って来なさい」と叔母が。「叔母ちゃん、明日試験だから帰れないよ」「とにかく、帰って来なさい」。私は朝6時の新幹線に飛び乗って福山へ。母は数日前に入院したとは聞いていたが、まさか・・・。列車が福山に近づくにつれて、胸騒ぎがひどくなった。駅に迎えに来ていた兄に、「病院に直接行こう」。私の言葉を無視して、兄は私を家に連れて帰った。そこには、すでに黒白の幕が・・・。私はその光景を目の当たりにして、目の前が真っ白になって、その場でひっくり返った。入院していたとは聞いたが、死ぬほどひどいとは聞いていなかった。あの胸騒ぎは、なんと母の死であったのか。故郷を離れて1年目。喧嘩ばかりしていた母から届く、衣類を詰めた箱の中に、そっと入っていた私が大好きな駄菓子に涙し、母の存在の有り難みを感じていた矢先であった。 (Belle)
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jinnno-san 前回の続き・・ (前号を読んでいない方はあしからZoo 笑)。果たしてまた9,000kmのフライトを経て、わたしの航空便 (うXこ) は、無事に林医院さんに届いたのだろうかと思っていたら、実家の母から「ちょっとあんた! 血便らしく細胞の検査しなさいって!」と。「なーんだ、ちゃんと届いたじゃんか」 と国際郵便事情に感心したのも束の間、「あれ? ちょと待てよ。ケツベン? 細胞けんさあー!?」と、胸騒ぎしまくり! そして 「ニッポンのお医者さんは、本人以外にも結果を打ち明けるのね」と、客観的に事態を受けとめる。冷静に考えた結果、「あ! これは細胞じゃなくて、再検便じゃ!」。なぜなら失くしたと思っていた検便キットがあったー!(笑)。国際電話で林先生に「痔かもしれないし、キットがもう1セットあるので再検便してください」。田舎では先生の言うことは絶対で、林先生は多分、このような患者からのリクエストを受けたことがなく「え? もう1回検便?」と面食らっていた(笑)。胸騒ぎ中の幸いは、今が冬でよかったぁ! 夏だったら郵便屋さんに申し訳ねぇ。検便の封筒に中身は “Food” と記載するでしょ (するの? 笑)。 でも、ツーンと食べ物以外の何かが匂ってただろうな (オエっ! 笑)。よおーし! 検便に愛着が湧いてきたので、これからは Ben って呼ぼう! (笑 ?)。 (りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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私は『胸さわぎ』というものを感じたことがない。嫌なことが起こる時に感じる、前兆のようなものらしいが・・。私は科学的に証明できないものを信じない。幽霊、超能力、輪廻転生、天国地獄・・。なので、起きた後でビックリすることが多々ある。① 大学受験失敗編。合格発表の日。落ちる胸さわぎなど微塵も感じず、なぜか 「付いていくよ」 と東京まで一緒に来てくれた彼氏。そこに私の受験番号はなかった。落胆するよりも、一緒に来た彼氏に気を遣う始末。胸さわぎを感じてくれたら一人で行ったのに・・。② 彼氏に振られる編。なぜかいつも振られて終わる私の交際遍歴。それはいつも突然。「別れよう」「は? 何で?」「前から考えてた」「いつからよ?」 ・・・胸さわぎでも感じていたなら、心構えができていたのだろうか? ③ 帰省中の母の事故編。日本を離れる数日前。実家でのんびりと優雅にゴロゴロ。電話が鳴り、出ると母親が「バイクで事故っちゃった。今、病院。相手の人が連れてきてくれた。数時間帰れないからね」という連絡が! 至急病院に駆けつける! 状況が分からないまま、事故の相手を「ふざけるな!」と怒鳴りつける! その日は小雨が降っていた。まるっきり胸さわぎなどとは無縁だった。最後に疑問。『胸さわぎ』があれば、人生を助けてくれるのか!? (IE)


(2019年3月1日号に掲載)