▽編集業務は意外にタフな仕事。内容〜文章構造〜使用語彙の適切さを見極めるので、文字通り、一言一句に目を通して推敲する。言葉の意味が不明瞭だったり、表現が曖昧で内容が伝わらない時はコラム担当者に確認する。完璧と信じつつ、出版後に間違いやタイポを発見した日には、さながら「勝利ボクサーが判定後に背後からKOパンチを喰らう」「階段を一段踏み外して転げ落ちる」ようなショックを受ける (結構あるのです)。絶望的なのは、自分がリサーチを重ねて仕上げた記事ファイルが損壊して開かない時。どうにか復元・復活できないものかと悪戦苦闘しても、結局、書き直しを余儀なくされる (過去に3度あり)。ところが、今では Mac OS搭載の全的バックアップ機能 Time Machine があるので、時系列をたどって “消失した原稿” を復活させることができる! ありがたい。▽女性の記憶は恐ろしい。男女の脳のシステムが違うらしい (何かで読んだ)。妻は20年以上も昔の夫婦ゲンカの不快感が瞬時に復活するようで、突然、私の些細な言動まで鮮明に再現して当時の怒りを爆発させる。男は筋道を立てて怒りをロジカルに表現するが、女はまず「怒りありき」で感情が先立ち、非難の刃 (やいば) が堰 (せき) を切る。呆気にとられるばかりで、反論のしようがなく、私はトワイライト・ゾーンに置き去りにされる。 (SS)