“史上最強のマイペース男” と妻に言われる。考えてみれば、子供のころから「時間を自分の都合に合わせる」傾向があった (困った性格だ)。▽小学生時代に固く守り続けていたルールは、帰宅したら、まず宿題を終わらせてから遊びに行くこと。友達と河原で野球をする時間に間に合わず、日没近くになって、グローブとバットを抱えて駆けつける。オレンジ色の夕日が一面に広がって、そこには誰もいない・・。▽中学生時代は遅刻ギリギリの登校を繰り返す日々。学校までの距離が遠いのに、時間を気にせず、朝に放映されていた面白いテレビ番組 (チャップリンの連続短編ドラマ) を観てから自宅を出ていた。私の姿を目撃して慌てて走り出す生徒たち。彼らの後を追い、校庭のホームストレッチでラストスパートをかけ、全員をごぼう抜きにするのが日課。校舎の窓から眺めていた野次馬から歓声が上がった。▽何をするにも手際が良すぎる妻は、仕事も家事もサッサと済ませる。月末の最終週になるとカレンダーをめくり、翌月にしてしまうので、それを知らない私は日付と曜日を間違える。妻はサマータイムを2日前からセットしていた。そうとは知らぬ私も1時間進める。余分なプラス1時間を誰が知る?「なかなか寝つけない」とつぶやく私に、 妻が「じきに慣れるわよ」。(SS)