September 13, 2025

美味しい

 

▽グルメとは縁遠く、優れた味覚の持ち主でもない私が、これぞ美味!と思える一品 —— それは「雪虎」(ゆきとら)。希代の食通、北大路魯山人 (きたおおじ・ろさんじん) の小著『夏日小味』に出てくる簡単な夏料理。豆腐半丁を油で揚げ、火で炙りながら焼き網で筋を入れ (虎の縞模様)、大根おろし (雪) を乗せる。私は冷やして醤油をかけて食べる。ネギを乗せると「竹虎」(たけとら) と呼び名が変わる。早い話が “揚げ豆腐の冷奴”。160年続く庶民の味も、魯山人が創作した小皿に盛ると、高級食材でなくても美食の絶品となる。「豆腐の美味は京都に極まる」と言う。その底力は豊富な地下水脈だとか。豆腐が大好物の自分としては京都でも味わってみたい。▽七味唐辛子やメキシコの香辛料ハバネロを豆腐にかけていたが、冷奴と最高の相性と思えるクロアチアの調味料「ベゲタ」を見つけた! 脂分を使わず野菜やハーブを凝縮した、東欧料理に欠かせない万能スパイス。驚くなかれ、大豆の上質な甘みを引き立たせ、冷奴の旨味が数段アップする。▽死ぬほど不味 (マズ) かった記憶 —— それは「脱脂粉乳」。終戦後〜1964年までアメリカとUNICEFの食糧援助を受け、私が小学1年生の時だけ学校給食に出された粉ミルク。栄養価が高くても、臭みが強烈で一度も飲めなかった。この話ができるのは60歳代以上。 (SS)
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▽最近、友人の薦めで、美味しさを長持ちさせる真空保存容器を使い始めた。初心者の自分は手動のコンテナを使っているが、3日経っても黒くならないアボカドを見たときは感動した。とにかく、食材を捨てなくなった。“保存の達人” を自負している友人が使っているのは FoodSaver のマシーン (https://amzn.to/36DIKt8)。ジッパーバッグ、コンテナ、何と、メイソンジャー、何とワインも真空にできるとのこと。▽美味しくて1年前からハマっているのが「ブリスボール」(http://bit.ly/3rlNvQn)、そして、1分ほどで作れる「ブルーベリージェラード」(https://bit.ly/3ttd7wI)。凍らせてシャーベットにしても美味しい。▽自家製カスピ海ヨーグルト、レンジで簡単サラダチキン (https://bit.ly/3hH11w3) は我が家の常備食。そして、最近目覚めたのがオートミールレシピ (https://bit.ly/3xPZNEk)。オートミールに和風だしと熱湯と玉子を入れて、電子レンジで加熱すればおかゆができ上がる。味付け次第で、いろいろなアレンジができる。「食べる」ことは 「生きる」こと。▽若い頃は美味しいモノを満腹になるまで食べていたが、最近は、体に良いモノ、そして、美味しいモノと優先順位が入れ替わった。(NS)
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yoko
うちの家族はパン好きだ。ベーカーの経験もある夫はもちろん、息子は幼いころからパンが “大好きっ子” だった。娘はそこまででもないが、私がパンを焼くと喜んで食べる。私も妹もパン好きの母が買ってくる美味しいパンを食べて育った。朝食はもちろんパン派。母が行きつけのパン屋さんで見つけた『生クリームを練り込んで焼いたふかふか食パン』がいつも家にあった。トーストしなくても、何も付けなくても美味しい。高校生の頃、小腹が減ると、そのまま丸かじりしていた。そして母は出かけると、必ずベーカリーでいろんなお惣菜パンや菓子パンを買ってきていた。たくさんの種類のパンの中から、よく妹と食べたいものを選んでいた。数年前に里帰りすると、やはり母はいつもパンを買っていた。妹と出かけて、久しぶりに日本のパン屋さんに行った私も、思わず買ってしまい、家がパンだらけに。。。「ほらほら、食べなさい、食べなさい」と出され、あまり食べない2歳児だった娘と私は、常にお腹がいっぱいで参っていた。 (YA)
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reiko-san
私は卵かけご飯が大好き。日本に住んでいた頃は、何も考えず、生の卵を熱々のご飯に割り入れ、醤油を垂らして、混ぜて頬張っていた。が、アメリカに住むようになって、生で卵を食べることが思うようにできなくなった。日本帰省の際に必ず食べたい美味しいものといえば、私にとっては卵かけご飯。日本の家族とスーパーに買い物に行くたび、卵セクションを入念にチェック。家にいれば卵かけご飯ばかり食べる私を半ば呆れ気味に見つめる家族 (笑)。「お姉ちゃん、コレステロール大丈夫?」と心配してくれる弟 (笑)。アメリカにいる間は、卵かけご飯のことは考えないようにして過ごしてきたのだが、最近、私は発見した。半熟とろとろのゆで卵をご飯に乗せて半分に割って食べると、卵かけご飯にかなり近いことを。創味のつゆをたらりと垂らして食べると最高。半信半疑の娘にも半ば強引に食べさせてみたら、彼女もハマった! とろとろの黄身はサルモネラの心配はないのか、そのあたり分からないけれど、今のところ大丈夫そう。 (RN)
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suzuko-san
世の中の人、誰でもそうであると思うが、私もご多分に漏れず、そしてそこに呑助 (のみすけ) という要素も加わって、美味しいものには目がない。その美味しいものは世界中にある。私が世界旅行を趣味としている大きな理由の一つが、現地での美食を求める、ということ。こと最近は、イタリアを始めヨーロッパに足繫く通っているが、何といってもイタリアの熱々で運ばれてくるパスタは、やたらめったら美味しい! 三角帽子のような盛り付けだから熱効率が良いのか、最後の一口まで熱々で食べられる。殊に魚介のパスタやウニのパスタ。絶品である。私は甘いものは得意ではないが、ポルトガルのエッグタルトのパイ生地の繊細さと上品な甘さには驚いた。マルタの名物料理であるタコのソテーの炒め具合の完璧さにも舌鼓を打った。もちろん、パリの街角で食べるバゲット。日本のパンは本当に美味しいと思うが、当然、本場には叶わない。約1年滞在したシンガポールにも、普段の生活の中に安くて美味しいものが山ほどある。カレーココナッツうどん、ともいうべきラクサ、太い米麺を海鮮醤 (ホイシンソース) で味付けたクイティォは毎日食べても飽きない。タイの屋台で買うピリ辛のさつま揚げも癖になる。こんなこと書いていると、いつまでたってもこの原稿は終わらない、終われない。 (Belle)
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jinnno-san
パンデミックの自粛中、ウーバーイーツが大流行したね〜。そんな中、そのサービスを唯 (ただ) の一遍も頼んだことない人が、ここにいる 笑。一度は試してみたかったんだけど (今からでも遅くない 笑)、さまざまな心境:①これといって宅配してもらってまで食べたいものが、ない (ゴメンなさい 笑)。②お寿司屋さんで食べたいけど、お店で、しかもカウンターで食べたい (贅沢? 笑)。③まさかのまさかの、ラーメンの持ち帰りなど、考えられん!(ニッポンの岡持ちに入ってくるてんやもんは、アリアリだけど! 笑)。④レストランのものは、自分で普段作らないようなものと限度を定めている (ベトナム料理など)。⑤ほんと、コレ言ったら、超きらわれそうなんだけど、、でも、言ってしまおう。自分で作る家メシが量的にもちょうど良いし、一番うんめーのよ! 笑! レストランは美味しいけど、多すぎるので必ず残すし、家に持って帰って食べたら、何かが違う。家ではレストランにはないメニューも作れるしね。今日の家メシは、某日本食品屋さんで仕入れた新たまの丸煮、雲丹 (うに) とうずらの卵&納豆のきゅうり軍艦巻き、関アジのお造り。こりゃウマいでしょ! ちなみに、わたしの料理のメンターは、漫画 “美味しんぼ” (マンガ? 笑)。あ、このニッポンを代表する超大作、読んでみてネ! 一番コレが美味しいから! 笑。 (りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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私は味音痴だ。食に興味なく、食事は空腹を満たすものだ。家に一人で居ようものなら、白米にふりかけやインスタントラーメン具なし、で満足。しかも、インスタントラーメンに関しては、韓国式で鍋から直接食べる。旦那と息子たちは未だにその姿を知らない。大学病院に勤めていた頃、医師の結婚式に三度招待された。高級ホテルでの披露宴では、アワビやフォアグラ、キャビアが振る舞われた。数口食べた後、何が美味しいのか分からなく、残そうとしたけど、それが信じられないという顔で睨 (にら) んでいる隣席のナースにあげた。忘年会ではスケスケのフグの刺身が出た。数キレ食べた後、「フグよりレモンサワー下さい」とお願いした。医師と製薬会社の人たちと銀座の天ぷら屋さんへ行った。カウンター席で目の前に揚げたての天ぷらが出てくる。「お塩でどうぞ」 と仰々しく言われ、数個食べたら、胃がもたれてきて「後はお酒だけで結構です」…どこの小娘が!発言。そんな私でも、永遠に食べても飽きないものが数種ある。①すいか ②みかん ③もつ煮込み。ただ、この三種には注意点がある。食べ過ぎると次の日、お腹がピーピーになるのだ! 美味しいはずの物に縁なし、美味しいと思う物にも縁なし、ということでしょうか…。(IE)
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しらす、焼き海苔 (日本の実家近くの海苔屋さんの海苔は、味と香りが最高!)、卵かけご飯。日本に帰省すると、先ず食べるのがこの3つ。実家のある静岡では、しらすは取れたてが食べられるし、卵も毎週取れたての新鮮な卵を家まで届けてくれるおばさんがいる。どれもアメリカでは食べられないものばかりだ。故郷でしか食べられないと思うと、“今でしょ” と言わんばかりに、ご飯を何杯でもおかわりして食べてしまう。しかし、食べた後に、たくさん運動してカロリーを消費しなければ、当然太る。40代も半ばを超えると、体についてしまった脂肪は簡単には落とせず、怠けて衰えた筋肉は元に戻りにくい。手遅れになる前に、朝の散歩やランニングなどしたいところだが、今年はコロナ禍の日本帰省となったため、3日間、検疫所指定のホテルに隔離された後、今は自宅で14日間の自主隔離中 (7月中旬現在)。不要不急の外出はできない。というわけで、毎日美味しいものを食べては、家でジっとしているだけなので、筋肉減少に加えて 体重 ‘絶賛’ 増加中。 (SU)

(2021年8月1日号に掲載)