Monday, 23 December 2024

早合点

日本の旅先で『早合点』されたお話2題。▽家庭裁判所での相続処理が終わり、私は紅葉を眺めたくなり、そのままバスで湖へ出かけた。遊覧船に乗り込んだら、誰かが「何時に出航ですか?」と尋ねてきた。「1時15分ですね」と答えると、別の人から「2時には戻れますよね」と矢継ぎ早の質問攻め。さらに、若い男性が「ここでタバコ吸ってもいいですか?」と私に聞く。「何でオレに聞く?」と訝 (いぶか) りながらも、禁煙サインを指差すと「すいません」(ダジャレか?)。乗客が私に馴れ馴れしく接する理由が分かった。男の子が私に向かって「あ! 船長さんだ!」。家裁から直行した私の姿はスーツにビジネスバッグ。観光客とは思えないほど完全に浮いていた。
▽人気観光列車『ゆふいんの森』の指定席をどうにか入手できた。駅員さんから「窓側の席です。団体さんとご一緒になります」と言われて乗車したら、全員が韓国からのツアー客だった。私の席から右へ通路を挟んだ3人はファミリーらしい。彼らは車掌さんに写真撮影を願い出たようだ。それとは知らずに顔を上げていたら、カシャリという音がした。その写真は「4人家族」になっていたはず。車内改札でも「4人」がほぼ同時にJRパスを提示し、車掌さんが私に「カムサムニダ 」。完全に “御一行様” の一員になっていた。 (SS)
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▽私の周りには早合点や早とちりをする人が多い。母は、WiFiを勝手にウィーフィーと呼んでいたし、父の寝癖を直そうとして殺虫剤を噴射してしまったりもした。兄は、容姿に劣等感を持っているアルバイトの学生さんに 「人間、顔じゃないよ」と言おうとして「人間の顔じゃないよ」と言ってしまったらしい。そう言えば、有給を取っている日に間違えて出勤してきた後輩もいた。「食べ盛りですもんね~」のつもりが「高校生くらいの男の子って、食べ頃ですもんね~」と保護者を驚かせた教師歴30年の友人は、忙しさにますます拍車がかかっている。姪のこどもは法事の時、お坊さんに向かって「ねぇねぇ、お地蔵さん」と真顔で呼んでいて、焦った。姪はリップとスティックのりを間違えて使ったり、父は眼鏡をかけたまま、眼鏡を探し回ったことが何度もあった。そういう自分も、携帯をかけながら携帯を探し回っている。▽この早合点タイプの人間は、完璧さ、シビアさとは無縁な存在で、どこか人間臭くて、時には笑いを誘う無邪気な人が多い。「一緒にいるとなんだか楽しい」 そんな早合点タイプの人間が大好きだ。 (NS)
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sheau-ching-san.gif 台湾出身で日本語は母国語ではない私には、今回のテーマは難しい。。。「早合点」という言葉の発音が分からないし、今まで聞いたことがなく、使ったこともなく、意味ももちろん分からない。でも、漢字の国で生まれて育った私は漢字には自信を持っている(笑)。さて、「早合点」の漢字からいくと、発音はきっと “そうごうてん” になるでしょう。意味は“誰よりもスピートがはやくて、簡単にゴール達成、点が取れること”に違いないと私は思った。。。。。しかし、ネットで調べていたら、、、、発音は「はやがてん」。意味は「よく聞いたり確かめたりしないうちに、分かったつもりになること」! 全然ちがう!? それはまるで、今の私の行動じゃないかと判明! たまに主人から「人の話を最後まで聞いてから、返事してくれないか」と言われている。いつも話の途中で、相手が何を話したいかを勝手に想像して、すぐ答える私はいけないと反省している。そして「早合点」しないように、これから気をつけます!  (S.C.C.N.)
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yoko 「早合点」とタイプしようとしたら、「歯や合点」「派や合点」??・・・出ない!「はやがってん」って読むのだと思い込んでいたのだけど、「はやがてん」が正しいらしい。 読み方を早合点していた。「早合点」の『合点 (がてん、がってん)』は “承知した。分かった。” という意味なので、 “早く分かった” ということなのかと思うと、そうではない。はやとちりの意味なのだそう。『合点』自体、日常的には使わない。「がってんだ!」なんて、時代劇の岡っ引きのよう。他にNHKの番組「ためしてガッテン!」とか。もともと「合点」とは、和歌・連歌・俳諧などを批評して、その良いと思うものに付ける「¬」「○」「・」などの印らしい。言葉の成り立ちって面白い。面白いといえば、先ほど発見した方言。私は岡山県出身なのだが、習字の書き始めの部分を指す「うったて」という言葉は方言だった! 他にも、こちらに来て初めて方言だったと気づいた言葉がある。「えらい (しんどい)」「さし (定規)」「チャラ書き (走り書き)」。ぜんぜん通じなかった。。。(YA)
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reiko-san 早合点された思い出のひとつ。小学生の頃、友達数人と電車に乗って出かけた帰りのこと。駅のホームで電車を待っていた私たち。週末の夕暮れ、田舎の電車で本数もそれほどない。やっと私たちの電車がやってきて、やれやれと思って乗り込んだところ、血相を変えた中年男性が飛び込んできて、「お前ら何やってんだ! 降りろ!」と叫びながら私たちをホームに連れ戻した。見ず知らずのおじさんに怒鳴られ、何が起こったか分からず、呆然とホームに立ちすくむ私たち。電車は扉を閉じて、去って行ってしまった。そして「先生、その子たち、僕たちの学校の子じゃないよ」と言う声が。ホームには私たちと同じ年頃の子供たちの集団。どうやらその男性、早合点して、私たちを自分の学校の生徒と勘違いしたらしい。あまりにも恥ずかしかったらしく、その先生はどこかに隠れてしまった。他の先生がやってきて、「君たち、大丈夫だった? ちゃんと帰れる?」と聞いてきた。いや〜、帰れるのは帰れるけれど、早合点した先生、こちらが子供だからって、ちゃんと謝りに来ないなんて、ちょっとひどくありませんか。 (RN)
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suzuko-san 私は典型的なおっちょこちょい。友達との会話で、彼女(彼)が途中まで話した段階で、勝手に結末を口走る。「そうじゃないよ!」とたしなめられることは、しょっちゅう。早合点丸出しだ。しかし、この早合点、たまには良い方向に働く、ということもある。それは・・・。私は四半世紀前、雑誌の取材でサンディエゴに初めてやって来た。たった3泊しかしない旅程だったが、その時に頼って来た友達がある男性を紹介してくれた。その時は会う時間がなかったが、文通の後、半年後に会いに来た。以降、隔月でサンディエゴに通うという熱心ぶり。そんな中、彼が「そんなに頻繁に来るのなら、サンディエゴに引っ越してくれば」。私はこの言葉に舞い上げり、「彼がビザをサポートしてくれる?=結婚?」と早合点したのだ。で、すっかり私の心はサンディエゴ。その気になって、その次に飛んできた時、「君、ビザはどうするの? 僕はまだ結婚の準備はできていない」。が~ん! それはないでしょ! あんたが引っ越してこいと言ったからその気になったのに。その気をやめないところが私のいいところ? 結果、ビザもないのに、人生の荷物の半分を送るという行動に出たのだ。そして、幸運なことにビザをくれる人に巡り合えた。ね! たまには早合点も働くでしょ? (Belle)
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jinnno-san マッツァボール・スープを作った! それは! ユダヤ人がパスオーバーの祝日に食べる料理の一つ。で、今、その時期なの? いいや、その日は来年の春まで来ない (笑)。厳粛な儀式に食されるコレが急に食べたくなった。なぜかというと、、二日酔い〜 笑。だから、半年ほど早合点だけど (意味ちがうくね? 笑)、誰も作ってくれないし、ガマンできなくて、二日酔いから這い上がり、団子を丸めて作ったの! この美味しさを皆さんと共有したいわ! 初めて食べたとき、なんじゃこの麩のおばけみたいなのー! と思ったけど、今じゃ自分から作るほど、これが胃にやさしく、飽きないし、シンプルで、卓球の球の大きさの団子がやがてソフトボールの大きさになり、その大きな麩 (のようなもの) に染み込んだ鶏ガラスープが後から後から口に広がって、心も体もあったまっちゃうよ! まさにこれはユダヤ版肉なし小龍包 (しょうろんぽう)! その後、もっともっと体がスープを欲し (まだ二日酔い 笑)、今度はトルテッリーニ・イン・スープ (イタリアーン) が食べたい! 町中探しても、なーい!・・・というか、おとなしくお粥でも食っとけ (笑 ) ← というか飲み過ぎんな! 笑。 (りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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早合点・・・といえば、思いつくのは私の夫のことだ。元々せっかちな性格で、いつも何をするにも早めに動かないと気が済まない人である。さらに、スケジュールとやるべきことが明白になっていないことをとてもストレスに感じ、少しでもはっきりしていないことがあると、ソワソワ、イライラしている。私は彼とほぼ逆のタイプの人間なので、人間たまには白黒はっきりできないことだってあるでしょ、いつも急がなくたって、その時までに間に合えばいいじゃない、と思ってしまう。あ、仕事いつも締切ギリギリですみません・・・。最近、彼の早合点から複雑な気持ちになったことがある。私の化粧水の容器が空になっていることに気づいたらしく、スキンケアのセットを買ってきてくれた。無くなると困るだろうと、先回りして買ってきてくれたのだろう。それはとても嬉しいし、感謝しているが、化粧水のたぐいは肌に合う合わないがあるので、自分で買いたい。それから、洋服も同じものばかり着ていると、時々買ってきてくれることがある。しかし、なぜか彼の頭の中には、私のサイズがXSとインプットされているようなのだが、私はそれにハマらない。もう一度、私の腹回りをよく見せて、もっと大きいサイズを買うように記憶に刷り込もうかなぁ。 (SU)


(2018年11月16日号に掲載)