Thursday, 28 March 2024

惜しい!

私の妻は仕事に関しての記憶が完璧だ。驚くほどの正確さで山積みの事務処理をこなしていく。ところが、日常生活上の記憶はひどく曖昧で、まるで無用な情報とばかりに、これでもかと間違いを連発する。制限ある脳の記憶量を効率的に使おうと、無意識に切り捨てているのか? 脳の記憶容量は140テラビット (17,500ギガバイト) との説がある (よく分からんが、使い惜しみなど不要なほどスゴイ)。微妙にズレる妻の記憶:①「この人、タイタニックの映画で “I’m the king of the world !” と叫んでいたよね」・・ところが、TVに出ていた俳優はマット・デイモンだった。ディカプリオに少し似ているが、惜しい! ② スポーツ番組でラグビーW杯の解説をしていた元日本代表の有名選手を指差して、「あ!三郎丸さんだ」・・五郎丸。惜しい! ③ 日本から訪ねてきた姪に「アメリカでも日本の番組が観られるよ」と妻。たまたま出ていたのが、芥川賞を受賞したお笑い芸人。「ほら、マタキチ・ナオキ」・・マタヨシ・ナオキ (又吉直樹)。姪がすかさず「惜しい!」。④ 歌手の五木ひろしと作家の五木寛之を混同している。歌うのが五木ひろし、歌わないのが五木寛之。作曲もするのが五木ひろし。作詞するのが五木寛之・・と説明したら、ますます分からなくなっていた。 (SS)

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▽パドレスは最終週までロッキーズに勝っていた。でも、9連敗して、今年もNL西地区最下位。あと1勝していたら4位だったのに。。。「惜しい!」。2019ラグビーW杯日本対南アフリカ戦。日本は南アフリカのタックルにやられた。2015年のあの 「奇跡」 を期待していたが 「惜しい!」。▽「おまえら! 一歩手前であきらめていないか。これを超えると状態が変化するという境目、スレッショルド (threshold) があるぞ!」。高校時代の陸上部の顧問が夕日に向かっていつも叫んでいた。確かに、マラソンでも、100メートルでも、ダイエットでも、人生でも、夜明け前の闇が一番暗いことを、還暦を過ぎてから気づいた。今まで「惜しい!」がたくさんあったような気がする。夜明けはもうすぐ。もう一歩、前に進むパワーを大切にしたい。▽1964年の東京オリンピックを家族揃ってテレビで見た。バレーボールの東洋の魔女たち、裸足のアベベと円谷幸吉に熱狂した。そして「人生の中で東京オリンピックに2度も巡り合えるなんて、すごいね。7年後の東京五輪大会、絶対に見ようね」と、男やもめになったばかりの父親とLINE電話で約束した。その2020年東京オリンピックが来年やってくる。[お母さんの分までしっかり応援する]と張り切っていた父は、3年前に亡くなった。「惜しい!」。天国から母と一緒に見てほしい!!  (NS)
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sheau-ching-san.gif ディールが大好きな私は、買い物の際、よくセール品を買う。買った翌日に、さらに値段が下がることもたまにある。その時は惜しい気持ちでたまらない! 素敵な服、靴がセールになっていて、買いたい!と思っても、私のサイズじゃない! 大きすぎる! その時も惜しい気持ちでたまらない。アメフトが大好きな私は贔屓のチーム(ピッツバーグ・スティーラーズ)が勝利するのが最高! でも勝っていたのに、最後の5分間で逆転負けすることが結構ある (コーチの作戦がいけない場合が多い)。その時も惜しい気持ちでたまらない。以前、インーターン生からもらったチーズケーキのレシピで何度も美味しいチーズケーキを作った。つい最近、新居の新しいオーブンで焼いて作ってみた。オーブンが変わったのに、温度と時間の調整をしなかったので、焼きすぎのチーズケーキが出来上がった! えーっ?? その時も惜しい気持ちでたまらなかった。見た目は良くなかったが、味は一緒でほっとした。今度は焼き方を調整したレシピで再度挑戦してみる! (S.C.C.N.)
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yoko 世間では、断捨離して、最小限なもので暮らすミニマリストが注目されているようだが、なかなか難しい。子供たちのおもちゃ:買った時のことを考えると処分するのが惜しい。衣類:子供たちは成長するので、着れなくなった衣類は処分できるが、成長しない大人の服は捨て時が難しい。ついつい、そのうち着るからと、処分するのが惜しくて取ってある服があふれている。物に執着しない夫は、何でもすぐに捨てようとする+物を大事に扱わない。「勿体ない精神」で育った私は、物を大切にするけれど、物に執着もする。中高生の頃、雑貨屋さんに細々したものがたくさん並んでいるのを見て、「自分の部屋もそんな感じにしたい!」と思って小物を集めていたくらい、ちまちましたものが好きだ。これでは片付かない。息子は夫に似たのか、自分のおもちゃも「もう使わないから捨てる」とすぐに言うのだが、反対に娘は何でも取っておきたい子だ。ちまちましたものも大好きで、ミニマリストにはなれそうにない。最小限なものでの暮らしは無理だが、上手に片付けて、すっきり見える暮らしを目指そうと思う。 (YA)
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reiko-san うちには猫が2匹いる。オスのCCは、メスのトラちゃんのことが好きで、隙あらばくっつきたいらしい。でも、トラちゃんはベタベタされるのが大嫌い。なので、CCはいつもトラちゃんにhissされてショボショボと退散する、というパターン。でも、冬になり寒くなると、この事態が少し変化する。痩せて皮下脂肪がほとんどないと見受けられるトラちゃんは、温かさを求めるのか、CCがそばに寝るのを許す。時には、自分の方からCCの寝ているそばにコロンと丸くなって寝る (!)。なんと、自己中心的な猫かと思ってしまうが、CCはそんなことは気にせず、嬉しそうに(こちらが勝手に想像しているだけだが)一緒に寝る。気がつくと、ベッドの上の毛布の上で、2匹がお尻がくっつくかくっつかないかというギリギリの距離感で丸くなっているのを見ると、私は訳もなく嬉しくなってしまうのだ。2匹が一緒に生活するようになってもう2年以上経つが、まだぴったりくっつき合って寝るというレベルには達していない。惜しいね、CC! 来年あたり、トラちゃんもっと打ち解けて、ピタッも許してくれるといいね。 (RN)
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suzuko-san 「あと、もう少しで合格点に達していたのに、ほんとに惜しかったね」(残念がる)。「それ、捨てるの? まだまだ使えそうなのに惜しいよ」(もったいない)。「日が暮れてきたので、惜しいけれど目的地まではたどり着けなかった。あの名跡が見たかったのに・・」 (心残り)。「あんなに有能だったのに・・惜しい人を亡くしてしまった」 (悔やむ)。「もうお別れの時です。お名残り惜しいですね」(去り難い)。「惜しい! 僅差で負けてしまった」(悔しい)・・などなど、「惜しい」を使う場面とその持つ意味のなんと多いことか。そして、その多さが物語るように、日常の中で「惜しい」を使う機会は山ほどある。それだけ、世の中が自分の思い通り、予想通りには運ばないことが多い、ということなのだろう。むか~し、うんと若かった頃、TVコマーシャルのフレーズの一つで、未だに私の頭から離れないものがある。「♪もうちょっとなのになあ・・♪」。何のコマーシャルだったのかは、すっかり忘れた(ネットで検索したけれど、見つけられなかった)が、何か惜しい場面に遭遇すると、私の口からこのフレーズが勝手に出てくる。ああ、もうちょっとなのになあ ・・ ということで、手に入れたいものが、この年をして入らなくて生きている人がここにいる! (Belle)
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jinnno-san 南スダン人の友人は、数字に弱い (笑)。100歩譲って彼を弁護するとしたら、現代文明に慣れていない。でも、子供6人中(多っ)米国で生まれた下の子は、もう20歳と10歳。(子孫ナンバーズゲーム 笑。やはり数字に強い? 笑)ってことは、、近代社会生活20年は経つ、が、まず時間に弱い (笑)。9時45分と伝えるのに「10時15分前に待ち合わせね」と約束したら、10時前なのか後なのか分からないらしく (笑)、10時半に来た。たったの45分違い (笑) だから、惜しい。「明日は遠出だから朝早く出よう! 7時ね」と言うと、必ず「PM?or AM?」 と聞く (笑)。7時は分かるんだけど、惜しい (笑)! 母国では酋長の息子で敬虔なキリスト教徒。まじめかと思いきや!! 「この本読んだ?」「オーイエース」「感想は?」「いや、そのー」と、しどろもどろ。「ウソついてる?!」と言うと「ウワッはっはっはー!」・・笑ってゴマカシ?「ウソついたらあーたの神様からバチがあたるぞ」と言うと 「オーノー!」・・ 惜しい (笑)。毅然としてたら酋長と認めるのに (笑)。さらに年齢不詳 (笑)。誕生日が分からないので米国に来た際、1966年1月1日に決めたんだって、年下と分かっている奥さんも同じ日に!(笑)。奥さんはせめて1967年にしておけばよかったのに、く~っ、実に惜しい~(笑)。(りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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最近、小学2年の娘のクラスのボランティアで学校へ行く機会が増えた。先生のお手伝いや生徒たちの宿題の確認、テストの丸つけなどもやっている。このお手伝いはなかなか面白い。クラスメイトの宿題の確認をしていると、なかなかの確率で紙にお菓子のカスが付いていたり、甘い香りがしたり、中にはお菓子のパッケージの切れ端が挟まっていたのもあった。7、8歳の子供たちって、みんなこんなものなんだろうかと、想像すると可笑しくて可愛らしくなってしまい、娘には「お菓子は宿題の後」と言い聞かせてきたが、それもまぁいいか・・と思えてしまった。次はテストの丸つけ。娘のクラスなので、当然、娘のテストも丸つけをする。そして、ついに来た娘のボキャブラリーと、算数の足し算と引き算のテスト。結果から言うと普通。覚えている例を少し挙げると 「Believe」が 「Believen」・・なぜ最後に「n 」つけた? 「Lesson」が「Lessen」・・おいおい。7+9=16 … オッケー、8-7=15・・足してるし! うっかりなのか本気なのか、惜しいのか惜しくないのか、突っ込みたくなる娘のテストの丸つけ、なかなか楽しかった。 (SU)


(2019年11月16日号に掲載)