September 13, 2025

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スピード

 

▽幼い頃、交番勤務の若い巡査さんに絶大な信頼を寄せていた。河原の泥濘 (ぬかるみ) にハマって動けない私を発見し、自転車から飛び降り、驚くべきスピードで救出してくれたことがある。お巡りさんこそ、世界一のスーパーヒーローだった。交番へ行くとチューインガムやキャラメルがもらえた。夏にはスイカまで出してくれる。「気が優しくて、正義感にあふれるお巡りさん」「警察官は現代の救世主」という、子供心に揺るぎない固定観念を持っていた。▽ “海水浴デビュー” を果たした6歳の夏。8月下旬の太平洋は荒れていた。容赦なく強風が吹きつける海岸。父と弟は海水浴へ。 隣りにいた母と叔母の姿がなく、心細くなった私は警察の救護テントに駆け込む! 大音響の拡声器で「お子さんを保護しています!」と呼び出された父が、息を切らして私を迎えにくる。2度目は母の帰りが遅くてパニックに陥り、またもテントに猛ダッシュ! 再びマイクロフォンで呼び出される家族。両手にかき氷を持った母が、遠くから必死に追いかけてきたのも知らずに・・。3度目はビーチパラソルが飛ばされ、もはやこの世の終わりとばかりに、お巡りさんを目がけて一目散! 弟を背負った叔母と両親が必死に追いかけるも、脱兎のごとき猛スピードで駆け抜ける少年を止めることはできなかった。(SS)
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▽スピードスケート女子団体追い抜き (パシュート) で転倒し、金メダルを逃した日本人選手3人が見せてくれた笑顔が話題になっている。目を赤くして肩を組む3人の姿をファインダー越しに見ていたカメラマンが、レンズを向けたまま泣き始めてしまい、そんな姿に気づいた3人が「いや、そっちが泣くのかー!力が抜けるわ 」と、彼の号泣ぶりを見て涙顔で大笑い。カメラマンの熱い心にも感動を覚えた。▽世はスピード時代。美味しい料理を届けてくれるフードデリバリーが人気なのも不思議ではない。でも、Uber Eats や DoorDash にハマっていた知人が「料理ばっかり届けてもらっていたら、楽しみが消えてしまった。だから、レシピ付きの食材を頼むようにしたの」と教えてくれた。食品ロスがなくなり、レパートリーも増えて、とてもハッピーな様子だ。▽「老化のスピード、止まったよ!」美しいレオタード姿の写真が友人から届いた。健康診断で肝臓の数値に異常が出た彼女は、一念発起して減量に成功。還暦を過ぎて美魔女に変身した。16時間断食ダイエット、週3日/1日30分のHIITトレーニング、7〜8時間の睡眠、30分の昼寝を続けているとのこと。「座ってばかりいる人のテロメア (命の回数券) は短いらしいよ」との友人の言葉にビビり、急いでミニトランポリンに乗り、ヘトヘトになっている自分が情けない。(NS)
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yoko
スピードやスリルを楽しむ乗り物は苦手だ。アミューズメントパークのスリルライド、命綱ひとつで高いところから飛び降りるバンジージャンプ、飛行機からパラシュートで地上に降り立つスカイダイビング —— 。スピードやスリルが好きな人は、そのために長い列に並ぶのも、高い料金を支払うのも苦にならないんだろうけど、私は、たとえ報酬をもらえると言われてもやりたくない。乗り物のスピードは苦手だが、生活上でのスピードは大事だ。仕事はもちろん、日常のこまごました用事、洗い物、片付け、料理など、必ずやらないといけないルーティーンは手際よくサッサと終わらせたい。食べるスピードも、子どもができてからすっかり早くなった。子どもの頃は「何をするのも遅いねー。あなたはのんびり屋さんだねー」と、よく母に言われていたものだ。おっとり、のほほんと育ったはずなのに、すっかりせかせかした大人になってしまった。たまには立ち止まって、何も考えずに景色を楽しんだり、ゆったりと過ごしたりもしようと思っている。 (YA)
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suzuko-san
世の中には “スピード狂” と呼ばれる人たちがいる。元旦那もその一人だった。彼はかつて「レーシングチームを持っていた」と言い、事実、4台の車のうち、1台はリタイアしたレーシングカーだった。レースを諦めた彼はTVでレース中継があると食い入るように見ている。画面の中の映像は、時々、車が事故を起こして観客が騒然となる以外は、サーキットを唯々、車がぐるぐる周っているだけ。全く興味のない私には「何がそんなに面白いのん?」・・まぁ、それはともかく、そういうスピードには無関心な私であるが、実生活ではスピードが私をかなり牛耳っている。例えば、寝つきがいいこと。ベッドに横たわったら、ものの数分で夢の中。食べるのも結構早い。 この年にしては、歩くのもかなり早い。私は普通に歩いているつもりでも、見る人からすれば「いつも走っている」。確かに、階段は2、3階なら必ず走って上がるし (これは癖?)、廊下も結構走っている。歩いたところで、数秒ほどしか違わないと思うのに、それでも走る。何か事を処理するにも、だらだらではなく、さっさと済ます、片づける。もちろん、その分だけ仕事は決して丁寧ではない。そんな折、ある友人がマグネットをくれた。そこに書いてあったのは 「スピードよりコントロール」。あら、見てたのね~。 (Belle)
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jinnno-san
水着のSpeedoを思い浮かべて、ププって笑ってしまう。なんと、短パンデニムのSpeedoもあったんだって! (今、イメージでググって発見!) (なんで、ププってなるのか、あなたもイメージをググって、試してみて 笑)  “速さ” のスピードで言えば、、先日、一番年上の甥っ子、マー君 (姪っ子ばかりじゃあないよ 笑) の結婚式が東京で行われた。甥姪の中で初めての結婚だったし、彼は自称・神童だし 笑、出席したかった!けど、招待されなかった!笑。コロナ禍+こじんまりした式だから、招待客は30名ほど。両家+友人+当事者でもう定員オーバー。わたしが参加した場合、友達のH部長も連れていく予定だったので 笑、問題外だった 笑。通常は6人掛けの丸テーブルに4名だけ。プラスチックの仕切り付き。他のテーブルへのお酒の注ぎ回り禁止、カラオケなし、出し物なし。出席した独身の妹に、ついでに婚活せよ!と指示を出したけど、挙式とプールサイドでの綱引きのようなブーケトス、隣の披露宴会場で食事して、祝辞を聞いて、ざっと3時間ほど。は、は、はっ、ええエーーー! 婚活する時間なし!笑。わたしの経験では、結婚式は三日三晩のジプシースタイルなので、参加してたら、このスピードについていけなかったわ! (一人で二次会してたわ!笑)。 (りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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▽スピード違反チケットを大量に切られたことを思い出した。5年ほど前、子供の学校イベントに参加するため車で向かい、駐車場を探していた時のこと。引っ越してきたばかりで、学校の駐車場の入り口が分からないまま、イベントの始まる時間が迫ってしまい、急いで校舎の周りをグルグルと行ったり来たりしていたら、近くにスピード違反を取り締まるカメラが設置されていて、その前を通るたびに、しっかりと撮影されていた。立て続けに8回ほど撮られていたようで、しばらくして自宅に高額な罰金のチケットが届いた。目玉が飛び出る金額なので裁判所に出頭して交渉し、半額くらいまで減額してもらったが、裁判官に名前を呼ばれて立った時は、とても恥ずかしく、犯罪者の気分になっていた。あんな思いは二度としたくないので、車で学校の前を通る時は必ず20マイル以下で走っている。▽日本のディズニーシーで乗ったアトラクションの「タワー・オブ・テラー」が怖すぎる。並んでいる時から悲鳴が聞こえていたが、 乗り物が上下するだけで、大したことないとタカをくくっていた。甘すぎた。暗闇の中で何度も上昇しては、ものスゴいスピードで落下を繰り返す。あと数回ヤられていたら死んでいたと思う。もう二度と乗らないと心に誓った。(SU)

(2022年3月1日号に掲載)