▽東日本大震災の大津波襲来により福島第1原発で爆発事故が起こり、地域住民に避難指示が出された2011年3月12日。母と弟が暮らす福島市は危険地域に指定されなかったが、事故から3日後に「氷雨」が降った。風に乗って上空に滞留していた放射能は雨に捕捉されて市内に降り注ぎ、放射線量が急上昇。あの日、何も知らぬ弟は生活用水を求めて街中を走り回り、それこそ「ブラックレイン」 の中で被曝した。あれから10年。弟に異常値はみられないが、後に晩発性障害が出たとして 「原発被害」 を証明できるのか? 行政の対応に一般市民の生命保障が及ばぬ現実・・何ともやるせない。▽結婚後5〜6年頃は夫婦喧嘩が絶えなかった。価値観の違いに我慢の限界を越えてしまい、登山で鍛えた足腰にモノを言わせて妻が私に飛び掛かったり、雨のフリーウェイでカーチェイスを展開したり。険悪な空気に居たたまれず、時間外のウォーキングに出た私に突然の雷雨が襲った (天気予報はハンパなく外れる)。ゲリラ豪雨の中、妻の車が近づいて私を救出。互いに表情も硬く無言のまま帰宅したが、その日を境に平穏な生活が戻った。▽私流の宮澤賢治『雨にも負けず』:「雨ニモマケズ 風ニモマケズ (中略) 欲ハナク 決シテ怒ラズ イツモ静カニ笑ッテイル (中略) ソウイウ者ニ 私ハ ナレナイ」(SS)