サンディエゴの住宅価格 前年比2.4%下落 米国全体の中央値 $396,500、過去最高
6/30/2025オンライン不動産会社レッドフィンの最新レポートによれば、2025年6月15日までの4週間で米国全体の中央値は396,500ドル (約5,720万円) と過去最高を更新した一方、サンディエゴ郡の中央値は前年比2.4%下落し、全米でも大幅な値下げ組に入った。保留中 (ペンディング) 取引も11.1%減となった。
■ 売り手優位から供給過多へ転換:
現在、全米市場には買い手を50万戸上回る物件が出回り、価格交渉が常態化している。売り出し中央値422,238ドル (約6,091万円) に対し、実際の成約価格は約2万6,000ドル低く、売り手が値下げで需要を呼び込む構図が鮮明だ。新規売り出しは前年同期比4.4%増、総在庫は14.5%増で、供給が急速に膨らんでいる。
■ 高金利と需要減が取引を圧迫:
在庫増に対し買い手は減少傾向。成約待ちの減少に加えて、住宅ローン申請件数も前週比3%減。高止まりする金利と依然高水準の価格が購買力を削いでおり「手の届く価格帯」への調整圧力がかかっている。
■ 売り手への提言「価格戦略」と「状態改善」:
レッドフィンのエージェントは「僅かな上乗せでも売れ残る」と警告し、適正価格設定と修繕対応の重要性を強調する。立地が良く、コンディションが完璧な物件のみが依然として高値成約を維持しているが、それ以外は “買い手市場” へ移行しつつある。
■ 年内の全米価格下落予測と地域差:
レッドフィンは供給過多が続けば年末までに全米平均価格が下落に転じると見込む。都市別ではフィラデルフィアなど北東部が最大5%超の上昇を示す一方、カリフォルニアのオークランド (-5.9%)、サンディエゴ (-2.4%)など西海岸で下落が顕著。地域間格差が一段と拡大する構図になっている。
■ 今後の焦点:
在庫増と需要減が続けば、サンディエゴ市場は値下げ余地が拡大し買い手優勢が定着する見通し。ただし、長期的には気候や雇用環境など “暮らしたい街” としての魅力が下支えとなり、急激な暴落には至らないとの見方も根強い。慎重な価格設定と金融環境の動向が2025年後半の鍵を握る。