September 1, 2026

ビーチ・ミッションベイの駐車場「無料維持」条例 市議会本会議へ バルボアパークの教訓生かす

8/30/2026

■ルール委員会が全会一致で可決

サンディエゴ市議会ルール委員会は8月26日、市が所有するビーチおよびミッションベイへのアクセス機能を持つ駐車場で、市が駐車料金を徴収することを禁じる条例案を全会一致で可決し、本会議へ送った。提案したのはジョー・ラカバ市議会議長とラウル・カンピロ市議の2人。条例が成立すれば、市の条例集 (Municipal Code) に新たな条項が加わり、対象駐車場での有料化が法的に封じられることになる。前日には市内の地域プランナー委員会 (Community Planners Committee) も22対2の圧倒的多数で支持を表明していた。

■対象は50カ所超 ラホヤからオーシャンビーチまで

対象となるのは、ビーチまたはミッションベイへのアクセスを提供する市所有の50カ所以上の駐車場だ。具体的には、ラホヤ・ショアーズのケロッグパーク、ウィンダンシー、トルマリン、フィエスタアイランド、ミッションビーチ、オーシャンビーチの各駐車場に加え、クラウンポイント、デアンザ・コーブ、スキービーチなどミッションベイ周辺の複数の駐車場が含まれる。一方、路上のパーキングメーターや、シーワールドやミッションベイ周辺のホテルなど外部事業者にリースされている市有地は対象外となる。駐車違反の取り締まりやイベント許可の発行についても、市の権限は従来通り維持される。

■サンセット条項は削除 「恒久的な無料を」の声受け

当初の案には、2036年12月31日で効力が切れる10年間のサンセット条項が盛り込まれていた。これは、州沿岸委員会 (California Coastal Commission) が一部のビーチ・ベイ駐車場の夜間閉鎖を認めた決定と期限をそろえる狙いだった。しかし委員会では、複数の市民やケント・リー市議がこの期限設定に難色を示した。公聴会でリンダビスタ在住のトム・ダービー氏は、条例を支持しつつも「恒久的に無料であってほしい」と述べ、有料化が検討対象になること自体に失望を示した。議論の結果、本会議に提出される条例案から2036年の期限は削除された。

■有料化なら年$1,000万超の収入も

市の独立予算分析官室 (IBA) のジリアン・アンドリーナ氏は委員会で、この条例に反対の立場は取らないとしつつ、同室は通常、市議会に対して財政上の柔軟性を確保するよう促していると説明した。仮に市がビーチ・ベイ駐車場の有料化に踏み切った場合、年間$1,000万(約15億円)以上の収入が見込めるという。近隣自治体では、デルマー市が2024年の公表資料をもとに年間$135万(約2億円)の駐車収入を見込み、サンタモニカ市は2025年時点で$900万(約13億5,000万円)と試算している。ただしサンタモニカの数字にはビーチ以外の立体駐車場も含まれる。

■バルボアパークの教訓

カンピロ市議は、この案件を持ち出した理由について、バルボアパークの駐車有料化が示した教訓を市が学ぶためだと語った。市は財政赤字の穴埋めとして今年1月5日からバルボアパークの駐車場を有料化したが、住民や園内の文化施設、近隣市の首長からも強い反発を招いた。博物館側は開始直後から来館者が大幅に減ったと訴え、支払い用のキオスク端末が破壊される事態も起きた。最終的に今年5月、住民側がゴミ収集料金をめぐる訴訟と撤回運動を取り下げる代わりに、市は2027年1月1日までにバルボアパークの駐車料金を全廃することで合意している。

■市民の声は賛否 「海岸線は全市民のもの」

委員会には多様な意見が寄せられた。地域プランナー委員会のビクトリア・ラブルッツォ委員長は、パシフィックビーチ計画グループの意見も踏まえて条例案を精査したと述べ、サンディエゴの海岸線は全市民のものであり、公共アクセスが海辺に住んでいるかどうかで左右されてはならないと訴えた。一方、反対の立場からは、駐車収入が雨水処理や道路、街灯の整備に充てられる財源になり得るとして、慎重な判断を求める声も上がった。なお、ルール委員会では条例の適用対象をサンディエゴ市民に限定する修正も可決されたが、カンピロ市議は市境のすぐ外に住む郡民が州外からの観光客と同じ扱いになりかねないと懸念を示している。

︎上の画像は AI が生成したイメージです。