3/31/2025米国内では現在、麻疹 (ましん=はしか) の感染が拡大しており、19の州で400件以上の感染が確認され、少なくとも2名が死亡した。
春の到来を受けて、サンディエゴ郡保健福祉課は住民に対し、春休み前に麻疹ワクチンを接種するよう呼びかけている。
特に、テキサス州およびニューメキシコ州では大規模な感染が報告され、全米規模で感染が広がっている。サンディエゴ郡内では今年に入ってから麻疹の報告例は確認されていないが、郡当局は今後、地域内外での人の移動により、新たな感染例が発生する可能性があると警鐘を鳴らす。
麻疹は存在するウイルスの中でも最も感染力が強いとされ、感染者が呼吸、咳、くしゃみをすることで飛沫を介して空気中に広がる。ウイルスは空気中や物の表面に数時間残存することがある。
サンディエゴ郡の疫学・免疫部門の医療ディレクター、シーマ・シャー医師は「海外や麻疹流行地域への旅行から戻り、発祥の兆候がある場合は、直ちに担当医に連絡してほしい」と述べた。さらに「麻疹は単なる発熱や発疹ではなく、特に乳児や幼児にとっては非常に危険な病気」と警告している。
郡当局の説明によれば、特にリスクが高いのは、まだワクチン接種を受けていない生後12か月未満の乳児。加えて、1歳以上で予防接種を受けていない子供や、免疫力が低下している人々も重症化のリスクが高いという。
米疾病予防管理センター (CDC) は小児における麻疹の感染1,000例のうち約1例が死亡に至っていると発表した。
麻疹の主な症状は、発熱、咳、鼻水、充血した目、倦怠感など。症状が出始めてから1~4日後に赤い発疹が頭部から現れ、徐々に下半身へと広がる。現時点では麻疹に対する特効薬や治療法は存在しない。
シャー医師は「麻疹を防ぎ、子供を病気から守る最も有効な方法はワクチンを接種すること」と強調している。
▪️関連情報サイト:(外務省海外安全ホームページ)