6/2/2024
米民間非営利団体「歴史保護ナショナル・トラスト (National Trust for Historic Preservation)」は今年5月、約140年の歴史を刻むロサンゼルス中心部の日系人街リトルトーキョーを存続の危機にある歴史地区に指定。
再開発の影響を受けていると指摘した。
指定により、歴史的価値の維持に向けた機運を高める狙いがある。
米国立公園局 (National Park Service=NPS) によると、リトルトーキョーは最盛期に3万5,000人以上の人口を誇ったが、太平洋戦争中に米政府が日系人を「敵性外国人」として各地の収容所に強制的に送ったため離散。
戦後は一部が戻ったが、再開発が進む中で立ち退きを余儀なくされた日系商店も多い。
街の活性化に取り組む「リトルトーキョー・コミュニティー評議会 (Little Tokyo Community Council)」のクリスティン・フクシマ代表は「地域の課題を多くの人と共有する契機にしたい」と話した。
歴史保護ナショナル・トラストは毎年、存続危機の歴史地区を11か所指定。
過去には、先住民の聖地があるアリゾナ州の人気観光地グランドキャニオンや、物流面で20世紀の繁栄を支えた旧国道「ルート66」も選ばれている。
今年は、黒人だけで形成した最も古い自治体の一つだったフロリダ州イートンビル (Eatonville) なども指定された。
(2024年6月16日号に掲載)